大阪チタ社長:チタン鉱石の権益確保を検討-調達競争が激化

スポンジチタンの生産で世界2位の 大阪チタニウムテクノロジーズは、原料であるチタン鉱石の調達のため に鉱山権益の確保を検討していく。西澤庄藏社長が16日、都内でブルー ムバーグ・ニュースとのインタビューに応じて明らかにした。

西澤氏は、2012年3月期のチタン鉱石価格が前の年と比べ60-70% 程度上昇、13年3月期については「もっと上がる」と述べ、生産コスト を安定化させるために鉱山権益の確保が必要との考えを示した。

チタン鉱石の価格急騰の背景には、塗料や顔料に使用される二酸化 チタンのメーカーとスポンジチタンメーカーとの鉱石獲得競争があると いう。西澤氏は、世界のチタン鉱石総需要の9割が二酸化チタン向けと 話した。

野村証券の11月14日付のリポートによると、11年のチタン鉱石の世 界需要は640万トンと、新興国を中心とした旺盛な二酸化チタン需要な どの影響で、供給量を30万トン上回る見込み。チタン鉱石の価格動向に ついて、野村証券の藤原悟史アナリストは、「13年3月期は前期比同40 %程度の上昇」と予想している。

大阪チタニウムはチタン鉱石の9割近くをリオ・ティントなどの資 源会社から相対取引で確保し、残りの10数パーセントをスポット市場か ら調達している。西澤氏は、個別企業との相対取引による原料獲得競争 が厳しくなっていることなどを理由に、スポット市場からの調達を拡大 する方針だ。「来年はスポット市場から2割程度を確保する」と言う。

軽量で耐久性に優れているスポンジチタンは、米ボーイング社の新 型旅客機「787」など省エネルギーを目指す航空機向けに需要が高まっ ている。一般産業分野では世界の景気減速懸念で一部需要に不透明感が 出ているものの、中東での海水淡水化プラント向け需要が強く、全体と しては堅調に推移しているという。

西澤氏は、12年のスポンジチタンの価格交渉について、輸出向けが ほぼ決着したと言い、急騰する原料価格と堅調な製品需要を背景に「大 幅に値上げする」と述べた。

スポンジチタンの輸出用価格は、それを加工して展伸材をつくる国 内メーカーなどと年度ごとに行う価格交渉の指標となっている。大阪チ タは、米チタニウム・メタルズ(米国ダラス州)や住友金属工業、神戸 製鋼所などにスポンジチタンを供給している。

大阪チタのスポンジチタン工場は足元でフル稼働中。リーマンショ ック後の世界的な景気後退で需要が急減したことを受けて、一時凍結し ていた生産能力増強工事を昨年11月に再開した。年初に3万2000トンだ った生産能力は年末までに4万トン規模への拡張工事が完了する。

今年に入ってからの大阪チタニウムの株価は2月に08年5月以来の 高値となる6680円を付け、9月に3000円台を一時割るといった展開。17 日の株価終値は前日比105円(2.9%)高の3790円だった。

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