11月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが総じて上昇、ECBがイタリア国債を追加購入

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが主要通貨の大半に対して上 昇。イタリア国債の利回りが低下し、欧州債務危機が悪化しているとの 懸念が弱まった。

ユーロは対ドルと対円でもみ合う展開。一時は、前日の5週 ぶり安値から上昇する場面もあった。事情に詳しい関係者2人によ ると、欧州中央銀行(ECB)はこの日、イタリア国債を1度購入 し、その後さらに購入した。株が前日に続き下落すると、ユーロは対 円で上げを消した。オーストラリア・ドルはドルに対して下落。約1 カ月ぶりにパリティー(等価)を下回った。リスク志向の後退が影響 した。

INGグループの外為ディレクター、レーン・ニューマン氏 (ニューヨーク在勤)は、「ECBが救済に乗り出す可能性があり、 投資家はそれを前向きな材料と受け止めている」と述べ、リスク資 産に対する地合いについて、「市場はリスク資産に対してショート にしているが、若干の疲れが見える」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時16分現在、ユーロは対ドルでほぼ 変わらずの1ユーロ=1.3460ドル。一時は1.3422ドルと、10 月10日以来の安値まで下げた。ユーロは対円で1ユーロ=103円 60銭。一時は前日と同じ10月10日以来安値の1ユーロ=103円 41銭まで下げた。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=76円98 銭。

ドル調達コスト、3年ぶり高水準

ブルームバーグがまとめたデータによれば、銀行がユーロ建 ての支払いをドル建てにスワップする際のコストを示す3カ月物ク ロス通貨ベーシススワップは、欧州銀行間取引金利(EURIBO R)を最大1.32ポイント下回った。ドル調達コストは終値ベース で2008年12月以来、3年ぶりの高い水準となった。これにもか かわらずユーロは一時、対ドルと対円で4日ぶりに上昇した。

銀行の貸し渋りの度合いを示す指標となるLIBORとオ ーバーナイト・インデックス・スワップ(翌日物無担保コールレー トと固定金利を交換する金利、OIS)のスプレッドは、38ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)と、2009年6月以来の最 大に広がった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨 指数によると、ユーロは過去1週間で0.2%上昇、ドルと円は

1.5%、2.5%それぞれ上昇した。

豪ドルが下落

オーストラリア・ドルは対ドルで0.9%安の1豪ドル=

99.90米セント。一時は1.1%下げる場面もあった。豪ドルが対米 ドルでパリティーを下回ったのは10月12日以来で初めて。

英ポンドは対ドルで4日ぶりに上昇。英国の小売売上高が10 月に予想外の増加を記録したのが手掛かりだった。ポンドは対ドル で0.1%高、一時は0.5%高まで買い進まれた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.1%低下の78.316。4日ぶりの低下だった。

◎米国株:続落、S&P500種は1カ月ぶり安値-欧州危機を警戒

米株式相場は続落。S&P500種株価指数は1カ月ぶりの安値を 付けた。欧州債務危機が悪化するとの懸念に加え、米議会が財政赤字の 削減で合意できないとの見方から売りが膨らんだ。

S&P500種の全10業種の中では素材株と情報技術(IT)銘 柄の下げが目立った。アルコアやインテルが下落。シアーズ・ホール ディングスは4.6%下落。損失拡大が嫌気された。半導体製造装置 最大手アプライド・マテリアルズは7.5%安。同社の売上高と利益 の見通しはアナリストの予想に届かなかった。ジェフリーズ・グルー プは日中取引で一時、2009年3月以来で初めて10ドルを割り込ん だ。

S&P500種株価指数は前日比1.7%安の1216.13で終了し た。3.7%下落した9日の終値である1229.10を下回ると、下げが 加速し、100日移動平均も下回った。ダウ工業株30種平均は

134.86ドル(1.1%)安の11770.73ドル。

マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨーク) のマイケル・ショール会長は電話インタビューで、「きょうはリスク 外しの日だ」と指摘。「商品市場では手じまい売りが大量に出ている。 欧州の利回りをめぐる話は明白だ。米財政赤字削減策の取りまとめを 目指す議会の超党派特別委員会で意見がまとまっていないことは失望 されるが、それが市場の主な材料ではないと考えている。材料が多す ぎる」と話した。

イタリア救済計画はない

ロイター通信がユーロ圏当局者の話として報じたところによると、 ユーロ圏高債務国の救済基金である欧州金融安定ファシリティー(E FSF)を活用したイタリア救済計画はない。スペイン国債入札では 借り入れコストが高まり、国債相場は下落。同10年債利回りは 1999年のユーロ導入以来の高水準に上昇した。

米財政赤字削減計画の策定期限である23日が迫る中、超党派特 別委員会では共和党陣営と民主党陣営が共に譲らない姿勢を見せてい る。

S&P500種は100日移動平均である1226を下回った。シェ ーファーズ・インベストメント・リサーチのテクニカルアナリスト、 ライアン・デトリック氏によると、それは一段安の前兆となり得る。 同氏は電話インタビューで「強気派には悪い兆候だ」と指摘。「弱気 派が勢いを盛り返し、相場を押し下げるサインだ。市場が良好な経済 指標を材料視せず、ほかのことに注目しているのには少し拍子抜けす る思いだ」と語った。

経済指標は底堅く

朝方の経済指標は支援材料となった。新規失業保険申請件数は7 カ月ぶりの低水準。10月の米住宅着工件数は予想よりも小幅な減少 にとどまった。住宅着工許可件数は2010年3月以来の高水準に増加 した。一方、フィラデルフィア連銀管轄地区の製造業活動は11月に 拡大したものの、市場予想を大きく下回った。受注や出荷が落ち込ん だ。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)を運営するNYSEユーロ ネクストの広報担当リチャード・アダモニス氏は、取引終了間際にフ ロアトレーダーが使用する小型コンピューターに不具合が生じ、取引 終了プロセスが午後4時以降にずれ込んだことを明らかにした。

世界的な成長懸念で商品相場が下落。中国の中央銀行は物価は金 融緩和するほど落ち着いていないとの認識を示した。モルガン・スタ ンレー・シクリカル指数は2.4%下落。アルコアは3.5%、インテ ルは2.4%それぞれ下げた。

アプライド・マテリアルズは第1四半期の1株利益が一部費用を 除いたベースで8-16セントになるとの見通しを示した。売上高は 前期比で最大15%減少を見込んでいる。

◎米国債:上昇、スペインとフランスの入札で危機への懸念再燃

米国債相場は上昇。スペインとフランスの入札で借り入れコストが 上昇したことを手掛かりに、欧州が債務危機を封じ込められないとの懸 念が広がった。

欧州ではオランダやフィンランド、オーストリアでも国債利回り が上昇した。ギリシャに端を発した債務危機の拡大を食い止めようと 当局者らは取り組んでいるものの、市場の疑念が根強いことが示唆さ れた。ただイタリアの国債利回りが低下したことで一時危機拡大への 懸念が和らぎ、米国債は上げを消す場面もあった。米財務省は10年 物インフレ連動債(TIPS)の入札(銘柄統合、発行額110億ド ル)を実施。最高落札利回りは市場予想を上回った。

バークレイズの金利戦略共同責任者、マイケル・ポンド氏(ニュ ーヨーク在勤)は「世界の状況を考えれば、TIPS入札の結果はそ れほど悪くはなかったといえる」と指摘。「流動性への逃避の動きで、 通常の米国債には資金が流入している。そうした状況ではこのような 入札はもっとひどくなることもあり得る」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後4時4分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.99%。同年債(表面利率

3.125%、2041年11月償還)価格は28/32上げて102 24/32。

10年債利回りは4bp低下の1.96%。一時1.94%まで下げた ほか、2.04%まで上げる場面もあった。

利回り格差

2年債と30年債の利回り格差は2.72ポイントに縮小し、10月 6日以降で最小となった。世界経済の減速懸念から安全を求める動き が強まった。

フェデレーテッド・インベスターズの国債・住宅ローン担保証券 (MBS)担当共同責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は「欧州発 のニュースの影響を引き続き受けている」とし、「欧州でのボラティ リティが落ち着けば、利回りは再び上昇しそうだ」と述べた。

この日実施された10年物TIPS入札の結果によると、最高落 札利回りは0.099%と、入札直前の市場予想の0.060%を上回った。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.64倍だった。過去10 回の入札の平均は2.79倍。

入札予定

財務省は来週の入札予定(発行額合計990億ドル)も発表。21 日に2年債(発行額350億ドル)、22日に5年債(同350億ドル)、 23日に7年債(同290億ドル)を入札する。

ニューヨーク連銀はこの日、「オペレーション・ツイスト」の一 環として2020年から21年に償還期限を迎える米国債46億8000 万ドルを買い入れた。

欧州中央銀行(ECB)がイタリア債の購入を拡大したと、事情 に詳しい関係者2人が明らかにした。同関係者らは、取引は非公開だ として匿名を条件に語った。

ドイツのメルケル首相は、危機を封じ込める頼みの綱としてEC Bの活用を求めるフランスの提案を拒否。これを手掛かりに欧州では 各国の国債利回りが上昇した。

◎NY金:7週ぶり大幅安-欧州危機めぐる株や商品全般の下落を反映

ニューヨーク金先物相場は続落。約7週間ぶりの大幅安となった。 格付け会社フィッチ・レーティングスが、米銀は欧州債務危機からの 「深刻なリスク」に直面しているとの見方を示したことで、商品や株 価が下落したことが背景。

株価指標であるMSCI世界指数は4日続落。商品24銘柄で構 成するスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のGSCI指数は 8週間ぶりの大幅安となった。フィッチは前日、欧州の債務危機が早 く解決されない限り、「米銀行業界の広範な信用見通しが悪化する可 能性がある」と指摘した。

ヘレウス・プレシャス・メタルズ・マネジメントのセールス担当 バイスプレジデント、ミゲル・ペレスサンタラ氏(ニューヨーク在勤) は、「欧州危機が波及する恐れがあるとの不安から手じまい売りがか さんだ。市場は大きく崩れている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物12月限は前日比3%安の1オンス=1720.20ドルで終了。中心 限月としては9月23日以来の大幅下落となった。

◎NY原油:急反落、100ドル割れ-欧州の債務懸念や米株安で

ニューヨーク原油先物相場は急反落し、バレル当たり100ドル を割り込んだ。スペインやフランスの国債利回りが上昇したことで、 欧州の債務危機が広がっているとの懸念が強まった。米国株の下落も 原油の売りにつながった。

スペインの借り入れコストはユーロ導入以来の高水準に上昇し たほか、フランスとドイツ国債の利回り差(スプレッド)は拡大した。 S&P500種株価指数が続落し、米株式市場は軟調。これを背景に、 原油は午後の取引で一段安の展開となった。

ESAIエナジーのプリンシパル、リック・ミュラー氏は「ユー ロの今後に対する不透明感が強く、それが欧州のリセッション(景気 後退)懸念につながっているのは確かだ」と指摘。「需給状況もそれ ほど強気ではない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比3.77ドル(3.67%)安の1バレル=98.82ドルで終了。12 月限は18日が最終取引。実質中心限月となった1月限はこの日、

3.6%安の98.93ドル。

◎欧州株:下落、スペイン入札不調で危機悪化を懸念-銀行が安い

17日の欧州株式相場は下落。スペイン国債入札の不調で借り入 れコストがユーロ導入後の最高に達したことから、域内のソブリン債 危機が悪化しているとの懸念が強まった。

銀行株が売られ、中でもフランスのBNPパリバやソシエテ・ジ ェネラルの下げがきつかった。欧州の銀行がドル資金を調達するコス トは3年ぶり高水準に達した。金属の値下がりに伴い、鉱業株も安い。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%下落の233.97で終了。 債務危機はユーロ圏の中核国にまで影響を及ぼしており、同指数は2 月17日に付けた年初来高値を20%下回る水準となった。

ソシエテ・ジェネラルの調査責任者パトリック・レグラン氏はブ ルームバーグテレビジョンで、「利回りには多大な上昇圧力がかかっ ている上に構造問題や流動性の問題があり、市場は不安に包まれてい る。非常に悪い状態だ」と指摘。「欧州中央銀行(ECB)が何らか の方法で介入する必要に迫られる状況はそう遠くはないだろう」と付 け加えた。

スペインは10年債、35億6000万ユーロ相当を発行。平均落 札利回りは6.975%と、前回10月の入札時の5.433%を上回り、 少なくとも2004年9月以来の高水準となった。入札後に流通市場で は、同国の10年債利回りが一時6.78%を付けた。

フランスも同日に証券や国債の入札を実施。仏10年債のドイツ 債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)はユーロ導入以後初めて 200ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に達した。

この日の西欧市場では、1カ国を除く17カ国で主要株価指数が 下落。銀行株指数は2.2%下げ、BNPパリバは4.6%安の28.49 ユーロで終了。ソシエテ・ジェネラルは3.9%安の16.95ユーロ。 ドイツ銀行は3.7%値下がりの27.29ユーロだった。鉱業株は銅生 産会社アントファガスタを中心に下げ、同銘柄は6.1%安の1103ペ ンス。

◎欧州債:フランスとイタリア債上昇、危機懸念が緩和

17日の欧州債市場でイタリア国債が上昇。欧州中央銀行(EC B)が同国債を購入したとの見方に加え、ドイツのメルケル首相が債 務危機対策で政治的行動を呼び掛けたことが背景にある。

イタリア10年債利回りは2日連続で低下。モンティ新首相は 同国債務の圧縮に緊急に取り組むことを公約した。フランス国債も 上昇。この日の入札で、目標上限に近い額を発行したことが買い材 料。

一方、スペイン国債は下落し、10年債利回りは1999年のユー ロ導入前の高水準に達した。同日の国債入札で借り入れコストが少 なくとも7年ぶりの高水準となったことが嫌気された。

BNPパリバ(パリ)のシニア債券ストラテジスト、パトリッ ク・ジャック氏は「フランスの国債入札をきっかけに状況は若干改 善した」ほか、メルケル首相発言が「良い兆候と受け止められた」 と述べた上で、「この日の動向は前向きだったが、数秒でこうした 流れが逆転する可能性もある」と続けた。

ロンドン時間午後4時55分現在、イタリア10年債利回りは前 日比17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の

6.84%。同国債(表面利率4.75%、2021年9月償還)価格は

1.03上げ86.0となった。

イタリア5年債も上昇。利回りは23bp下げ6.70%。取引に ついて知る関係者4人によると、ECBはイタリア国債を購入した。 ECBの報道官は電話での問い合わせにコメントを控えた。

仏10年債の独10年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド) は16bp縮小し174bp。一時は204bpまで拡大していた。独 10年債利回りは前日比8bp上昇し1.89%。

フランス政府はこの日、満期2013年と2016年の証券を計69 億8000万ユーロ入札。目標は70億ユーロだった。

スペイン10年債利回りは7bp上げ6.48%。一時は6.78% まで上昇した。同国政府が実施した国債入札の落札利回りは

6.975%と、10月20日に行った前回入札の5.433%を上回り、 2004年9月以来の高水準に達した。応札倍率は1.54倍(前回入札 は1.76倍)に低下。

原題:French, Italian Bonds Rise on Debt

◎英国債:下落、10年債利回り2.23%-小売売上高が予想外に増加

17日の英国債相場は下落。この日発表された10月の小売売上 高が予想に反して増加したことが手掛かりとなった。

英政府統計局(ONS)が発表した10月の小売売上高指数(燃 料含む)は前月比0.6%上昇し、6月以降で最大の伸び率となった。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、中央値で前月比

0.2%低下と見込まれていた。

10年債利回りは前日比8ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇し2.23%となった。一時は2.111%まで下げ、過去 最低まで0.5bp未満に迫った。2年債利回りはほぼ変わらずの

0.50%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス15%。これに対しドイツ国債はプラス8.9%となっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor:Mariko Rakuyama, Shigeru Chiba ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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