米国債:上昇、スペインとフランスの入札で危機への懸念再燃

米国債相場は上昇。スペイン とフランスの入札で借り入れコストが上昇したことを手掛かりに、欧 州が債務危機を封じ込められないとの懸念が広がった。

欧州ではオランダやフィンランド、オーストリアでも国債利回り が上昇した。ギリシャに端を発した債務危機の拡大を食い止めようと 当局者らは取り組んでいるものの、市場の疑念が根強いことが示唆さ れた。ただイタリアの国債利回りが低下したことで一時危機拡大への 懸念が和らぎ、米国債は上げを消す場面もあった。米財務省は10年 物インフレ連動債(TIPS)の入札(銘柄統合、発行額110億ド ル)を実施。最高落札利回りは市場予想を上回った。

バークレイズの金利戦略共同責任者、マイケル・ポンド氏(ニュ ーヨーク在勤)は「世界の状況を考えれば、TIPS入札の結果はそ れほど悪くはなかったといえる」と指摘。「流動性への逃避の動きで、 通常の米国債には資金が流入している。そうした状況ではこのような 入札はもっとひどくなることもあり得る」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後4時4分現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.99%。同年債(表面利率

3.125%、2041年11月償還)価格は28/32上げて102 24/32。

10年債利回りは4bp低下の1.96%。一時1.94%まで下げた ほか、2.04%まで上げる場面もあった。

利回り格差

2年債と30年債の利回り格差は2.72ポイントに縮小し、10月 6日以降で最小となった。世界経済の減速懸念から安全を求める動き が強まった。

フェデレーテッド・インベスターズの国債・住宅ローン担保証券 (MBS)担当共同責任者、ドナルド・エレンバーガー氏は「欧州発 のニュースの影響を引き続き受けている」とし、「欧州でのボラティ リティが落ち着けば、利回りは再び上昇しそうだ」と述べた。

この日実施された10年物TIPS入札の結果によると、最高落 札利回りは0.099%と、入札直前の市場予想の0.060%を上回った。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.64倍だった。過去10 回の入札の平均は2.79倍。

入札予定

財務省は来週の入札予定(発行額合計990億ドル)も発表。21 日に2年債(発行額350億ドル)、22日に5年債(同350億ドル)、 23日に7年債(同290億ドル)を入札する。

ニューヨーク連銀はこの日、「オペレーション・ツイスト」の一 環として2020年から21年に償還期限を迎える米国債46億8000万 ドルを買い入れた。

欧州中央銀行(ECB)がイタリア債の購入を拡大したと、事情 に詳しい関係者2人が明らかにした。同関係者らは、取引は非公開だ として匿名を条件に語った。

ドイツのメルケル首相は、危機を封じ込める頼みの綱としてEC Bの活用を求めるフランスの提案を拒否。これを手掛かりに欧州では 各国の国債利回りが上昇した。

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