今日の国内市況:株は3日ぶり反発、債券反落-ユーロ売り一服

東京株式相場は3日ぶりに反発。 きのうの海外原油先物価格の上昇を好感し、大手商社や鉱業など資源 関連株中心に高くなった。米国の鉱工業生産指数など景気指標の改善 や、午後の為替市場でユーロが上昇基調となったことがプラスとなり、 トヨタ自動車など輸出関連の一角も堅調。

TOPIXの終値は前日比3.60ポイント(0.5%)高の727.71、 日経平均株価は16円47銭(0.2%)高の8479円63銭。

米中部とカナダからの原油輸送が円滑になるとの見方を背景に、 きのうのニューヨーク原油先物12月限は前日比3.2%高の1バレル=

102.59ドルと、終値では5月31日以来の高値となった。

また、16日に発表された10月の米鉱工業生産指数は前月比0.7% 上昇し、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値0.4% 上昇を上回った。米住宅建設業者の景況感を示すNAHB住宅市場指 数は、昨年5月以来の高水準だった。

きのうの米国株は、格付け会社フィッチ・レーティングスが欧州 債務危機のさらなる拡大は米銀のリスクになるとの見解を示し、信用 リスクや景気に対する懸念が広がり、取引終了にかけて金融株中心に 大幅安となった。きょうの日本株は、海外市場の影響で朝方は安く始 まり、TOPIXは取引時間中の年初来安値を更新する場面もあった。

しかし、日本時間今夜の米国株動向を占うシカゴ24時間電子取引 システム(GLOBEX)のS&P500種株価指数先物は、午後にな って基準価格比プラスで推移。景況感や企業業績の改善を支えに、米 国株が大崩れする可能性は低いと市場では受け止められた。さらに、 為替市場ではユーロが対ドルや対円に対し、午前10時以降に次第に強 含んだことも相場全般が徐々に出直る要因になった。

東証1部33業種では電気・ガス、証券・商品先物取引、金属製品、 ガラス・土石製品、卸売、精密機器などが上昇。半面、情報・通信や 小売、医薬品などは下げた。売買高は概算で15億2093万株、売買代 金は同9438億円。値上がり銘柄数は969、値下がりは532。

債券反落

債券市場では先物相場が反落。欧州債務問題をめぐる懸念を背景 に株安・債券高となった米国市場の流れを引き継いで買いが先行し、 先物は朝方に1年ぶり高値圏まで達した。しかし、午後に入ると国内 株価が上昇転換したことや高値警戒感から売りが優勢になって下げに 転じた。

東京先物市場で中心限月12月物は3日ぶりに反落。前日比横ばい の143円01銭で始まり、直後から水準を切り上げ、午前10時過ぎに 13銭高の143円14銭まで上昇。中心限月では昨年11月5日以来の高 値を付けた。しかし、午後に入って日経平均株価が反発に転じたこと もあり、上げ幅を縮め、次第に売りが優勢となり、結局は4銭安の142 円97銭と、この日の安値で引けた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.945%で取引を開始。 午前10時過ぎに1bp低い0.94%を付け、昨年11月8日以来の低水準 を記録した。午前の終了前から0.945%で推移し、午後2時過ぎから は横ばいの0.95%で推移している。

中期債が堅調。2年物の310回債利回りは0.5bp低い0.12%と新 発2年債として1カ月半ぶりの低水準。5年物の100回債利回りは1 bp低い0.305%まで低下し、新発5年債としては9月6日以来の低い 水準を付けた。

16日の米株式相場は反落。格付け会社フィッチ・レーティングス が欧州債務危機のさらなる拡大は米銀のリスクになるとの見解を示し たことが売りを誘った。原油高が経済成長を抑制するとの懸念も売に つながった。S&P500種株価指数は前日比1.7%安の1236.91。一方、 米国債相場は上昇。欧州債務問題への警戒感が根強く、安全資産であ る米国債に買いが入った。米10年債利回りは前日比4bp低い2.00% 程度。

ユーロ売り一服

東京外国為替市場では、ユーロ売りが一服し、午後の取引でドル と円に対して反発。欧州で長期化している債務問題の影響が域外に伝 播する可能性が懸念される中、欧州中央銀行(ECB)が域内の国債 を買い支えするとの警戒感から、終盤にかけて値を戻す展開となった。

ユーロ・ドル相場は朝の取引で一時1ユーロ=1.3422ドルと、10 月10日以来のユーロ安値を付けたあと、午後の取引にかけて1.34ド ル台半ば付近で推移。午後2時以降はじりじりと水準を切り上げる展 開となり、1.3518ドルまで急速に値を戻した。

ユーロ・円相場は午前に一時1ユーロ=103円41銭と、前日に付 けた10月10日以来のユーロ安値に並んだあと、午後にかけて買い優 勢となり、104円08銭まで上昇する場面も見られた。

ドル・円相場は1ユーロ=77円台前半での小動きが続いていたが、 午後の取引でユーロ高・ドル安が進んだ影響で、ドルが全面安になる と、76円97銭まで下押される場面も見られた。

前日の欧州債券市場では、ECBがイタリアとスペインの国債を 買っているとの見方から、両国債相場が値を戻す場面が見られていた。 ただ、欧州の信用不安は根強く、戻りは限定的となった。

16日には、格付け会社フィッチ・レーティングスが発表資料で、 「ユーロ圏の債務危機を時機を失することなく秩序立った形で収拾で きない限り、米銀行業界の広範な信用見通しが悪化する恐れがある」 と指摘。さらに、圧力にさらされているギリシャやアイルランド、イ タリア、ポルトガル、スペインの欧州各国市場への米銀の直接のエク スポージャーは手に負える範囲内にあるとしながらも、「しかし感染が さらに拡大すれば重大なリスクをもたらす」と警告した。

ドイツが16日に実施した2年債入札で発行額が目標上限に届か なかったことなどから同国債が下落。この日は引き続きスペインで40 億ユーロ規模の2022年償還債入札が予定されており、欧州信用不安の 深刻化が警戒されそうだ。

一方、イタリアでは、元欧州委員(競争政策担当)のモンティ氏 が16日、新首相に宣誓就任した。同氏は財務相も兼任し、政治家が入 らず経済に精通した有識者のみで固めた内閣を率いる。また、同日に はギリシャでもパパデモス首相が議会で信任された。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE