英中銀の資産買い取りプログラム、早期拡大観測広がる-総裁発言受け

イングランド銀行(英中央銀行) のキング総裁が欧州債務危機の引き起こす危険性について警戒感を示 したことで、一段の混乱から自国を守るために英金融当局は来月にも 追加刺激策を講じる用意があるのではないかとの観測が広がっている。

欧州債務危機の収束に向けた取り組みがなかなか進まないことへ のいら立ちが世界的に強まる中、キング総裁は16日、危機解決がう まくいかなければ「極めて不都合な結果」をもたらすだろうと述べた。 イングランド銀は成長率とインフレ率の見通しを下方修正している。

イングランド銀の元当局者で、現在は英銀ロイヤル・バンク・オ ブ・スコットランド・グループ(RBS)のエコノミスト、リチャー ド・バーウェル氏は「われわれは新たなリセッション(景気後退)の 瀬戸際にある」と語り、「中銀当局者は思っていた以上に英国景気が 弱いとの結論に一段と傾きつつある。RBSは従来、来年2月に資産 買い取りプログラムの500億ポンド(約6兆円)拡大があるとみて いるが、時期の前倒しは十分あり得る」と語った。

現在の資産買い取りプログラムは来年2月に終了する予定。ロン バード・ストリート・リサーチのエコノミスト、ジェイミー・ダンハ ウザー氏は、その前に動きがある可能性を指摘。シティグループの欧 州担当チーフエコノミスト、マイケル・ソーンダース氏も「今年12 月もしくは来年1月の会合で発表される公算があり、経済指標の内容 が悪く金融市場の緊張が続けばその可能性は高まる」と語った。

イングランド銀は今月10日の金融政策委員会(MPC)で、資 産買い取りプログラムの規模を据え置いた。議事録は23日に公表さ れる。同中銀は16日公表した四半期物価報告で、10月時点で5%の インフレ率は2年後に1.5%前後になると予想。

野村インターナショナルは今回新たな見通しが示されたことに対 応し、資産買い取りプログラムに関する予想を修正した。来年2月に 500億ポンド、5月に250億ポンドの拡大をそれぞれ予想。同社は 従来、2月に1回のみ250億ポンドの拡大があるとみていた。

ただキング総裁は、政策を「微調整」するタイミングではないと 語り、買い取り規模を拡大するかどうかの判断は現在のプログラムが 終了するまで待ったほうがいいかもしれないとの考えを示唆している。

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