債券先物反落、1年ぶり高値の反動や株価反発で-午後に売り優勢

債券市場では先物相場が反落。欧 州債務問題をめぐる懸念を背景に株安・債券高となった米国市場の流 れを引き継いで買いが先行し、先物は朝方に1年ぶり高値圏まで達し た。しかし、午後に入ると国内株価が上昇転換したことや高値警戒感 から売りが優勢になって下げに転じた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、債券 相場の上昇が続いていたので、高値警戒感から午後に入っていったん 戻り売りが出たと説明。もっとも、「長期金利は1%近辺でもみ合って いた水準から0.9%台半ばまで低下したが、欧州の債務問題への警戒 感が強いことから金利が上昇する感じではない」とも述べた。

東京先物市場で中心限月12月物は3日ぶりに反落。前日比横ばい の143円01銭で始まり、直後から水準を切り上げ、午前10時過ぎに は13銭高の143円14銭まで上昇。中心限月で昨年11月5日以来の高 値を付けた。しかし、午後に入って日経平均株価が反発に転じたこと もあり、次第に売りが優勢となり、結局は4銭安の142円97銭と、こ の日の安値で引けた。

朝方は買いが優勢だった。みずほインベスターズ証券の井上明彦 チーフストラテジストは、「昨日までの地合いの強さに加えて、欧州債 務問題を背景にリスクオフ(回避)の動きとなっており、円債市場で は買いが先行した」と説明した。

長期金利は1年ぶり低水準

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.945%で取引を開始。 午前10時過ぎに1bp低い0.94%を付け、昨年11月8日以来の低水準 を記録した。午前の終了前から0.945%で推移し、午後2時過ぎから は0.95-0.955%で推移している。

中期債が堅調。2年物の310回債利回りは0.5bp低い0.12%と新 発2年債として1カ月半ぶりの低水準。5年物の100回債利回りは1 bp低い0.305%まで低下し、新発5年債としては9月6日以来の低い 水準を付けた。

三菱UFJ投信債券運用部の倉林俊之次長は、「長期金利は0.9% 台の安定推移が続きそう。欧州信用不安が拡大しており、世界的にリ スク回避の流れが続く見通し。もっとも、追加緩和など日銀の金融政 策には限界があるため、短中期ゾーンの金利低下余地もおのずと限界 があり、利回り曲線の一段のフラット(平たん)化も見込みづらい」 と話した。

16日の米株式相場は反落。格付け会社フィッチ・レーティングス が欧州債務危機のさらなる拡大は米銀のリスクになるとの見解を示し たことが売りを誘った。原油高が経済成長を抑制するとの懸念も売に つながった。S&P500種株価指数は前日比1.7%安の1236.91。一方、 米国債相場は上昇。欧州債務問題への警戒感が根強く、安全資産であ る米国債に買いが入った。米10年債利回りは前日比4bp低い2.00% 程度。

ドイツ証券の山下周チーフストラテジストは、「海外金利の低下に じりじりと追いついてきた。リスク回避の動きやユーロに対する不信 感が一過性でなく長引きそうだという見方が浸透してきている。金利 上昇の要因が見出せない中では売りも出てこない。低金利で株価も上 がらず、円高基調が続きそうなことを見極めた上で円債がついてきて いる」と述べた。

--取材協力:船曳三郎、赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 池田祐美 Yumi Ikeda +81-3-3201-2490 yikeda4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE