UBS:投資銀縮小、ROE12-17%目指す-現金配当実施へ

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スイスの銀行最大手UBSは投資 銀行業務を縮小する一方でウェルスマネジメント業務に集中する方針 だ。2013年以降の株主資本利益率(ROE)12-17%達成を目指す。

17日の発表資料によると、11年の配当として1株当たり0.10ス イス・フランの支払いを計画している。UBSは金融危機以降、現金 配当を実施していない。同行はこの日ニューヨークで、幹部による投 資家説明会を開いた。

行員の不正取引による23億ドル(約1770億円)の損失発覚で辞 任に追い込まれたオズワルド・グルーベル前最高経営責任者(CEO) の後任となったセルジオ・エルモッティ現CEOは、自己資本規制の 強化やソブリン債危機で収益性が悪化していることから、債券事業の 縮小を進めている。

新銀行規制であるバーゼル3の下、UBSは投資銀部門のリスク 資産を現在の約3000億スイス・フラン(約25兆円)から16年までに 1450億フラン減らす計画だ。

エルモッティCEOはこの日の発表文で、「顧客に価値を与えなか ったり、不利なリスク調整リターンをもたらしたりするような事業の 撤退ないし縮小を通じ、当行のリスクを大幅に減らす選択をした」と 説明。さらに「成長機会が見込める金融商品や地域、特にウェルスマ ネジメント事業に引き続き投資を続ける」方針を示した。

投資銀行部門は長期金利業務を縮小し、マクロ部門のリスク資産 をほぼ半減する。これには外国為替トレーディングも含まれる。クレ ジットと新興市場業務の資産は16年までに約4分の1減らす。投資銀 行部門トップのカーステン・ケンジェター氏の説明によると、資産の 証券化や複雑な仕組み商品、株式自己勘定トレーディングなどからは 撤退する。一方で商品業務やスペシャル・シチュエーション・グルー プの拡充を図り、同行が強みを持つ株式、外為、資本市場、顧問業務 を今後も強化していく方針。

同CEOによれば、投資銀の従業員数は将来的に1万6000人程度 を目指す。9月末時点では1万7878人が在籍していたが、8月発表の 人員削減や事業の撤退・縮小および自然減で達成されるという。

UBSはウェルスマネジメント業務を拡大し、顧客アドバイザー を9月末の4252人から4700人に増員する目標。同社は景気減速で富 裕層がリスク回避の姿勢を強めたことに対応し、収益および新規資産 の見通しを調整した。運用資産に対する新資金導入の目標は年間3- 5%とし、従来目標の約5%から修正。エルモッティCEOは旧ペイ ン・ウェーバー部門を含むUBSのウェルスマネジメント・アメリカ スは売却対象でないと述べた。

UBSは2年前に15-20%のROE目標を掲げたが、今年7月に 撤回していた。スイスのクレディ・スイス・グループもROE目標を 18%超から15%超に引き下げるとともに、人員削減、債券部門の資産 などを含むリスクアセット縮小を決めている。

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