米国株:反落、フィッチが米銀の欧州リスクに警告、原油高も嫌気

米株式相場は反落。格付け会 社フィッチ・レーティングスが欧州債務危機のさらなる拡大は米銀の リスクにつながるとの見解を示したことが売りを誘った。原油高が経 済成長を抑制するとの懸念も売りにつながった。

シティグループとモルガン・スタンレーなど金融株が下げの中心 となった。デルは3.2%安。年度末に向けて売り上げが鈍化すると の見通しを明らかにしたことが響いた。カジュアル衣料品アバクロン ビー&フィッチ(アバクロ)は14%下落。利益が市場予想に達しな かった。ラムバスは61%の急落。マイクロン・テクノロジーと韓国 ハイニックス半導体がラムバス社製品を業界標準とするのを妨害した としてラムバスが起こしていた訴訟で、サンフランシスコの州裁判所 陪審は訴えを退けた。

S&P500種株価指数は前日比1.7%安の1236.91。ダウ 工業株30種平均は190.57ドル(1.6%)安の11905.59ドル。 原油先物相場はバレル当たり100ドルを突破した。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズのマデリン・マト ロック氏は電話インタビューで「市場を動揺させているのは未知のも のへの恐れだ」と指摘。「銀行がカバーしていると判断していても、 考えられる以上に欧州への投融資が膨らんでいる恐れがある。かなり の期間、厳しい相場展開になるだろう」と述べた。さらに「原油相場 の上昇は消費者にとっては税金のようなものであるため、懸念材料だ」 と述べた。

フィッチ

フィッチの見解を受けて株価は下げ幅を拡大した。フィッチはギ リシャやアイルランド、イタリア、ポルトガル、スペインに対する米 金融機関の「直接的なエクスポージャーは管理可能だ」としながらも、 これらの市場が一段と混乱すれば、「深刻なリスク」をもたらすと指 摘した。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁の発言も売り 材料。同総裁は欧州の債務危機が世界経済の成長にとって脅威となっ ているため、英経済の見通しは「著しく暗くなった」と述べた。

S&P500種の産業別24種では各種金融が3.9%安と最も下 げた。シティは4.1%、モルガン・スタンレーは8%それぞれ下落 した。

デルの8-10月(第3四半期)決算は、利益率の高い技術に照 準を絞ったことが寄与し、増益となったものの、売上高はアナリスト の予想を下回った。

持ち直す場面も

主な株価指数はボストン連銀のローゼングレン総裁の発言を受 けて持ち直す場面もあった。同総裁は欧州債務危機で、米金融当局と 欧州中央銀行(ECB)の協調行動が正当化される可能性があると語 った。朝方発表された鉱工業生産指数も支援材料。10月の同指数は 前月比0.7%上昇。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想 中央値0.4%上昇を上回った。米住宅建設業者の景況感を示す指数は 昨年5月以来の高水準になった。

USAAインベストメント(サンアントニオ)の株式投資バイ スプレジデント、ワシフ・ラティフ氏は電話インタビューで「経済デ ータは良くなってきているが、これで全てがうまくいっていると考え るべきではない」と発言。「欧州はリセッション(景気後退)に逆戻 りする可能性がある。そうなれば、世界のほかの地域にも圧力が加わ る」と述べた。さらに「原油相場が上がれば、消費者の家計に影響す る」と続けた。

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