NY外為:ユーロ5週ぶり安値、ECBが国債購入拡大との観測

ニューヨーク外国為替市場で はユーロが円とドルに対して5週ぶりの安値をつけた。ユーロ圏の債 務危機対応力への信頼感が低下し、欧州中央銀行(ECB)が国債の 購入規模を拡大せざるを得なくなるとの観測が背景だ。

米格付け会社フィッチ・レーティングスがユーロ圏危機の悪化 は米銀の信用力に「深刻なリスク」をもたらすと指摘したことを手が かりに、ユーロは下落。対ドルで前日に続き1ユーロ=1.35ドルを 割り込んだ。スペインは17日、最大40億ユーロの入札を実施する。 フランスも同日に最大82億ユーロの入札を実施する。

ゲイン・キャピタル傘下のオンライン為替取引会社FOREX ドット・コム(ニュージャージー州ベドミンスター)のチーフストラ テジスト、ブライアン・ドーラン氏は、「今の市場は投資家がユーロ に対して下落を見込み、リスク資産全体に対しても一段の下げを予想 していることが強く反映されている」と述べ、「イタリアとユーロに とっては極めて深刻な状態だ。次のハードルは入札だ。不調な結果に 終わるのではないかと思う。そうなればユーロ圏のソブリン債に対す る信用をさらに弱めるマイナス材料となるだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時23分現在、ユーロは対円で0.6下 げて1ユーロ=103円73銭。一時は10月10日以来の安値となる 103円41銭まで下げた。ユーロはドルに対しても0.6%下げて、1 ユーロ=1.3462ドル。一時1.3429ドルと、10月10日以来の安 値に売り込まれた。円は対ドルで1ドル=77円07銭。

フィッチの見解

フィッチは、米銀によるギリシャやアイルランド、イタリア、 ポルトガル、スペインといった一部欧州市場への直接のエクスポージ ャーは手に負える範囲だと述べた上で、「しかし感染がさらに拡大す れば重大なリスクをもたらす」と指摘した。これに反応して、ユーロ は下げ幅を拡大した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨 指数によると、ユーロは過去6カ月間で1.4%低下、円は7.2%上 昇、ドルは3.3%上昇している。

取引に詳しい関係者2人によると、ECBは債券市場プログラ ム(SMP)を通じて、通常を上回る規模のイタリア国債を購入した。 ECB報道官はこれについて、コメントを控えた。

スタンダードチャータード銀行の米州調査責任者、デービッ ド・マン氏は、「ECBが国債を購入するということは、欧州問題に どれほどのストレスとマイナスの圧力がかかっているかを示唆する。 ユーロについても同じことが言える」と述べた。

ドル調達コストの上昇

ブルームバーグがまとめたデータによれば、銀行がユーロ建て の支払いをドル建てにスワップする際のコストを示す3カ月物クロス 通貨ベーシススワップは、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)を 最大1.26ポイント下回った。ドル調達コストは終値ベースで2008 年12月以来、最も高い。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.4%上昇して78.258。

ボストン連銀のローゼングレン総裁は、ボストンで講演し、欧 州債務危機の悪化は、連邦準備制度とECBの「協調行動」を正当化 する可能性があると発言した。この発言後にユーロは一時、対円と対 ドルで下げを埋める場面もあった。

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