民主作業チーム:取締役・監査制度の改革検討へ-オリンパス問題受け

民主党はオリンパスの損失隠し問 題を受け、取締役や監査の在り方などを論点に企業統治改革について 党独自の具体案策定に着手する。財務金融部門会議に設置した「資本 市場・企業統治改革ワーキングチーム(WT)」で協議。公開会社法の 制定など法整備も検討する。WT事務局長の網屋信介衆院議員が15日、 ブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。

網屋氏はオリンパスの損失隠しについて「ある意味では投資家を 欺いたわけで、問題外」と批判した上で、「これは氷山の一角なのか、 それともこの会社に特有の問題なのかというところは一つ考えなけれ ばいけない。公開会社として取締役会、監査役会、監査法人などのガ バナンスの機能が果たされていないというところが一番の問題だ」と 語った。

企業統治改革に取り組む理由としては「日本の会社のディスクロ ージャー(情報公開)はアンリライアブル(信頼できない)という汚 名は、挽回しなければいけない。日本の会社というのは投資家なり債 権者に対して情報開示をきちんとしているというイメージをどうやっ て確立するかという目的が一番大きい」と強調した。

野田佳彦首相は11日夜の記者会見で、オリンパス問題について「不 適切な会計処理があったということは誠に遺憾。このような不適切な 事例が出た場合には厳格な対応をしなければいけない。そういうこと によって日本の金融市場における信頼というものを是非とも確保して いきたい」と述べ、厳しく対処していく意向を示している。

取締役会

網屋氏はメリルリンチ証券取締役副会長、総合金融サービスのN ISグループ代表取締役社長、同社取締役副会長などを経て2009年の 衆院選で初当選。自らも企業経営の経験があるだけに、オリンパスの 取締役会が企業買収に絡む巨額の手数料支払いを認めていたことにつ いては「だれが見たって『なんだこれは』となる。それを取締役会が 『はい、はい』と言ってやったところが一番問題だ。ガバナンスの欠 如だ」と批判した。

取締役の在り方については「こういうものを是とした取締役がい たらその人たちも同罪になるとか、権限とともに責任を重くするとい うのはあるかもしれない」と語った。また、社外取締役の選任義務化 も検討する方針も示した。

監査法人(会計監査人)の選任については「会計士をだれが指名 するかが一つのポイント。たとえば監査役会が指名するようにする」 と述べ、監査役会の権限とすることも検討対象になることを明らかに した。

現行の会社法第344条は、取締役が監査役(監査役会)の同意を 得た上で、会計監査人の選任議案を株主総会に提出する規定になって いる。

公開会社法

民主党は政権獲得前の09年7月にまとめた政策集「INDEX 2009」で、株式を公開している会社に対して「情報開示や会計監査な どを強化し、健全なガバナンス(企業統治)を担保」するための「公 開会社法」の制定を検討する方針を盛り込んだ。

こうした方針を受け、政府は昨年2月、当時の千葉景子法相が法 制審議会に対し、会社法制について「企業統治の在り方や親子会社に 関する規律等を見直す必要があると思われるので、その要綱を示され たい」と諮問。その後、同審議会は会社法制部会を設置し、見直し作 業を進めている。

網屋氏は、公開会社法の制定については「本音は目指しているが、 公開会社法は労働界、財界、株主、監査役会等々の皆さんのある程度 の理解が必要だ」と述べ、実際の法制化には関係者の利害調整が必要 との認識を示した。

--共同取材:安真理子Editors:Hitoshi Sugimoto, Tetsuki Murotani

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