米国債:上げを削る、一時1カ月ぶり低利回り-欧州懸念が後退

米国債相場は上げを削る展開。 利回りは一時、ほぼ1カ月ぶり低水準に下げていた。イタリア新政権 の組閣作業が進展しているとの見方で、欧州の債務危機が深刻化する との懸念が和らいだ。

この日欧州では、入札での利回り上昇や金融不安が深刻化すると の懸念を背景に、域内で最も安全とされるドイツ国債以外が売りを浴 びた。イタリア10年債は利回りが再び7%を超えた。こうした動き を受けてより安全とされる資産への需要が高まり、米国債は一時上昇 していた。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャス ティン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「全体的に見れば、欧州 が主な材料になる」と指摘。「当面は行きつ戻りつの展開になるだろ う」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の2.05%。同年債(表面利率2%、2021年 11月償還)価格は3/32上げて99 18/32。利回りは一時7bp低 下する場面があった。

30年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 低下し3.08%。米株式市場ではS&P500種株価指数が0.5%高で 引けた。一時は0.6%安まで下げた。

モンティ内閣

イタリアの新首相に指名されたマリオ・モンティ氏は会見で、イ タリアが現在直面している危機を克服できると「確信している」と述 べた。同氏はあす16日にナポリターノ大統領に会い、新内閣を報告 する。

朝方の米国債相場は米小売売上高の発表後に上げを縮めた。米商 務省が発表した10月の小売売上高(速報値)は、季節調整済みで前 月比0.5%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は0.3%増だった。前月は1.1%増だった。こ の発表後、米国債は一時上げを縮めた。

またニューヨーク連銀が同日発表した11月の同地区の製造業景 況指数は0.6と、5月以来初のプラスとなった。前月はマイナス

8.5。

米セントルイス連銀のブラード総裁は、現行の金融政策は適切だ とし、追加の大型資産購入については熟考した上で決定すべきだとの 認識を示した。

「インフレリスク」

同総裁はセントルイスでの講演で「資産買い切りは影響力のある 手段であり、慎重に用いる必要がある」と発言。「緩和的な金融政策 が適切なペースで解除されないと、バランスシート拡大は必然的にイ ンフレリスクを高めることになる」と指摘した。

ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査では、 16日に発表される10月の消費者物価指数(CPI)は前月比変わ らずと予想されている。また食品とエネルギーを除いたコア指数は前 年同月比で2.1%上昇と見込まれている。

消費者物価の予測値を示す10年債と同年限のインフレ連動債 (TIPS)との利回り格差(ブレークイーブンレート)はこの日一 時2.07ポイントとなった。

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