11月15日の欧州マーケットサマリー:株が続落、イタリア組閣難航

欧州の為替・株式・債券・商 品相場は次の通り。(表はロンドン午後6時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3541 1.3633 ドル/円 77.03 77.07 ユーロ/円 104.30 105.07

株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 237.03 -1.44 -.6% 英FT100 5,517.44 -1.60 .0% 独DAX 5,933.14 -51.88 -.9% 仏CAC40 3,049.13 -59.82 -1.9%

債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 .31% .00 独国債10年物 1.78% +.00 英国債10年物 2.15% -.03

商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,785.00 +9.00 +.50% 原油 北海ブレント 111.85 +.57 +.51%

◎欧州株式市場

15日の欧州株式相場は続落。イタリアの新政権首班に指名され たマリオ・モンティ氏が組閣に苦戦していることと同国最大の防衛企 業フィンメッカニカの赤字予想が響いた。

フィンメッカニカは20%の値下がり。同社は2011年通期の赤 字予想を明らかにした後、少なくとも10億ユーロ(約1040億円) の資産を売却すると発表した。イタリアの銀行最大手、ウニクレディ トも安い。ストックス欧州600指数を構成する19の業種別指数の 中で、銀行株は自動車、建設・資材と並んでパフォーマンスが最も悪 かった。英通信サービス会社ケーブル&ワイヤレス・ワールドワイド は急落。同社は将来の配当を停止し、新最高経営責任者(CEO)を 指名した。

ストックス欧州600指数は前日比0.6%安の237.03で終了。 ギリシャをデフォルト(債務不履行)の瀬戸際に追い込んだ債務危機 の封じ込めに欧州当局は苦戦しており、2月17日に付けた年初来高 値を19%下回っている。

サクソ・バンクの株式ストラテジスト、ピーター・ガーンリ氏は ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、まれにしか発生しな いが実際に起これば多大な損失をもたらす「テールリスクが欧州では 依然として大きい」と指摘。「この先、当社はリスクを一段とヘッジ させておきたい。欧州とアジアでは、もちろん中立的なポジションを 取る。生活必需品やヘルスケア銘柄への投資に傾いている」と付け加 えた。

元欧州委員のモンティ氏は前日に続きこの日も、ローマでの協議 でいわゆる「実務型」内閣への各政党の参加合意を取り付けるのに苦 戦した。政治的代表を欠いた内閣は、国民に不人気な法案を議会で成 立させるのが難しいとみられる。イタリアの10年債利回りはこの日、 節目とみられる7%を再び上回った。

西欧市場では、18カ国中14カ国で主要株価指数が下落。フィ ンメッカニカの終値は3.57ユーロと、15年ぶり安値を記録。欧州 の銀行株指数は2%安。ウニクレディトは4.5%下げ0.7395ユー ロ。ケーブル&ワイヤレス・ワールドワイドは26%下落し22.31 ペンスと、2010年3月以来の大幅安だった。

◎欧州債券市場

15日の欧州債市場でイタリア国債を中心にユーロ圏の国債が下 落。入札での利回り上昇や金融不安深刻化への懸念を背景に、域内で 最も安全とされるドイツ国債以外が売りを浴びた。

ラボバンク・ネダーランド(ユトレヒト)のエコノミスト、エル ビン・デフロート氏は「信頼感の危機だ」と述べ、「投資家らはユー ロ圏が自らの問題を解決できると信用していない。最も安全な投資先 を模索し、その結果ドイツに資金を投じる。それ以外すべての国は打 撃を受けている」と続けた。

ドイツ2年債利回りは初めて0.3%を割り込んだ。独10年債に 対するフランスやベルギー、スペイン、オーストリアの国債利回り上 乗せ幅(スプレッド)はいずれもユーロ導入後の最大を記録した。イ タリア10年債利回りは7%を突破した。マリオ・モンティ氏による 新政権の組閣が難航するとの観測が背景。

スペインとベルギーがこの日実施した入札で、発行額は目標上限 を下回り、借り入れコストが上昇した。

ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年債利回りは前日比 37ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の7.07%。9 日にはユーロ導入後の最高となる7.48%に達していた。同国債(表 面利率4.75%、2021年9月償還)価格はこの日、2.285下げ

84.57。

欧州債離れが加速

独10年債に対する仏10年債の上乗せ利回りは26bp広がって 190bp。拡大幅は終値ベースでユーロ導入後の最大。同スプレッド はユーロ導入後で最大となる191bpまで拡大する場面もあった。 独10年債利回りは1bp低下し1.77%、仏10年債利回りは

3.67%だった。

2年にわたる債務危機で欧州各国の取り組みが十分ではないとの との懸念が広がる中、金融機関や投資家は欧州債の保有を減らしてい る。国際投信投資顧問が運用する日本最大の債券ファンド「グローバ ル ・ソブリン・オープン」は、今月10日までにイタリア国債をす べて売却した。BNPパリバとコメルツ銀行は今月発表した決算で、 保有国債を損失覚悟で処分したと明らかにした。

独2年債利回りは0.295%まで低下し、過去最低を記録した。 ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がこの日発表した11月の 独景況感指数は3年ぶりの低水準となった。ドイツ連邦統計庁が同日 発表した7-9月期国内総生産(GDP)統計で、国内景気の成長ペ ースが加速したことが示された。

◎英国債市場

15日の英国債相場は続伸。10年債と30年債の利回りは過去最 低を更新した。フランスとイタリア、スペインの国債利回りが大幅に 上昇したことを背景に、安全とされるポンド建て資産への逃避の動き が広がった。

ポンドは対ユーロで上昇。スイス・フランやオーストラリア・ド ルに対しても堅調だった。この日発表された10月の消費者物価指数 は前年同月比で低下し、アナリスト予想も下回った。ポンドは対円で は下落した。

イタリア国債利回りが7%を突破したほか、ドイツ国債に対する フランス国債の上乗せ利回り(スプレッド)はユーロ導入以後の最大 に拡大した。イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁がインフ レ率が向こう6カ月で「急速に」低下するとの見方を示した後も、英 国債は堅調に推移した。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア為替スト ラテジスト、ジェーン・フォリー氏は「英経済のファンダメンタルズ (基礎的諸条件)は素晴らしいとはいえないかもしれないが、消去法 的にポンドをユーロの代替投資先とみなす投資家もいる」と述べ、 「ユーロ圏で緊張が高まった際に、ポンドへの資金逃避が鮮明になる」 と続けた。

英10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し2.15%。一時は2.11%まで下げた。同国債(表 面利率3.75%、2021年9月償還)価格はこの日、0.325上げ

114.12。2年債利回りは2bp下げて0.5%、30年債利回りは

3.09%まで低下した。

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