日本株反落、欧州と円高懸念で輸出、資源安い-売買代金ことし最低

東京株式相場は反落。イタリア国 債利回りの動きが不安定なことなどから、欧州ソブリン債問題の先行 き警戒感が広がった上、対ユーロを中心とした円高進行も嫌気され、 電機や輸送用機器など輸出関連株が下げた。前日の原油市況安を受け、 鉱業など資源関連株も安い。

TOPIXの終値は前日比4.94ポイント(0.7%)安の730.91、 日経平均株価は同61円77銭(0.7%)安の8541円93銭。東証1部の 売買代金は概算で7287億円と、ことし最低となった。

しんきんアセットマネジメント投信運用部の藤本洋主任ファンド マネージャーは、「イタリアやスペインの国債利回りが上昇基調なだけ でなく、ドイツ国債に対するフランス国債のスプレッドも拡大してき ており、欧州の債券相場は不安定な状態」と指摘。ただ、ファンダメ ンタルズに照らし合わせれば、「こうした市場の動きには行き過ぎ感も ある」と話していた。

マリオ・モンティ新政権誕生直後のイタリアでは、14日に5年物 国債の入札が実施され、平均落札利回りは6.29%と10月13日の入札 時の5.32%を上回り、1997年6月以来の高水準となった。欧州債市場 では、イタリア5年債利回りが入札後に上昇したことをきっかけに、 ドイツ国債に対するスペイン10年債の上乗せ利回りがユーロ導入後 の最大に拡大。こうした中で、ドイツのショイブレ財務相は、欧州の 恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)の発足が 2013年の開始予定日から前倒しされない可能性を指摘した。

危機警戒が再燃、円高基調

SMBCフレンド証券の中西文行シニアストラテジストは、「イタ リアやスペインの国債が売られるなど、欧州の債務危機が深刻化する との懸念が再燃してしまっている。欧州問題に一喜一憂する流れから 抜け切れない」と話していた。

外国為替市場ではユーロが売られ、日本時間15日未明には1ユー ロ=104円77銭まで円高・ユーロ安が進行。円は対ドルでも上昇し、 14日のロンドン市場では一時1ドル=76円82銭と、日本政府・日本 銀行が円売り介入を実施した10月31日以来、初めて76円台に乗せた。

欧州財政問題の先行き不安と円高進行が嫌気され、この日の日本 株市場ではソニーや任天堂、デンソー、東芝、キヤノンなど輸出関連 株が下落。また、14日のニューヨーク原油先物が反落したことが嫌気 され、国際石油開発帝石や石油資源開発など鉱業、出光興産など石油・ 石炭製品株も売られた。鉱業は東証1部33業種の下落率トップ。

指数下げ渋る、オリンパスは連日ストップ高

日経平均は午後に入り、下げ幅を76円(0.9%)まで広げる場面 があった。中国などアジアの株式相場が総じて軟調だったほか、シカ ゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500種株価指 数先物も基準価格比で下げ、きょうの米国株安への警戒感も日本株へ の売り圧力につながった。

ただ、岡三証券の船津典彦投資戦略部長は、「欧州債務問題の影響 度合いが日本は相対的に小さいとみられるほか、震災からの復興需要 への期待もある」とし、相場の下げは欧米と比べ穏やかと受け止めて いる。一方で、円高やタイ洪水の影響といったマイナス要因もあり、 「相場の上昇局面での上げ幅も限定的」としていた。

14日の米S&P500種株価指数は前週末比1%安の1251.78、ス トックス欧州600指数は1%安の238.47で終了。一方、先週末11日 のS&P500種株価指数が2%高、ストックス欧州600指数が2.4%高 だったのに対し、14日の日経平均は1.1%高にとどまっていた。

東証1部の売買高は概算で12億2796万株、値下がり銘柄数は955、 値上がりは499。33業種では鉱業、その他金融、鉄鋼、その他製品、 不動産、化学、輸送用機器、電機など26業種が下落。ガラス・土石製 品、パルプ・紙、保険、銀行など6業種が高い。海運は変わらず。

個別では、今期連結利益予想の増額と自社株買い実施の方針を示 した三井住友フィナンシャルグループが上昇。今期連結純利益計画を 前期比93%増の370億円で据え置いた第一生命保険は、リスク資産圧 縮の進展が一部アナリストから評価されて続伸した。オリンパスは、 上場廃止回避の観測を背景に、前日に続きストップ高(値幅制限いっ ぱいの上昇)。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.9%安の47.27と 反落、東証マザーズ指数は1.8%安の386.97と3営業日ぶりに反落。

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