債券反発、イタリア国債利回り上昇で内外株安-5年入札結果は順調

債券相場は反発。イタリア国債利 回り上昇などを背景に前日の米国株式相場が反落し、国内株価も下落 したことから債券市場では買いが優勢だった。午後に発表された5年 債入札結果が順調となり、需給の良さが確認されたことも買い安心感 につながった。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「欧米株安を受 けて、日本株も弱く、外部環境は追い風となっている。為替も一時1 ドル=77円台割れとなるなど、円高・ドル安基調。5年債入札を順調 にこなし、需給も良好だ」と述べた。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比6銭高い142円86銭 で取引開始。直後にやや売りが出て1銭安まで伸び悩んだが、徐々に 水準を切り上げた。午後の開始後には3営業日ぶり高値の142円94 銭まで上昇。その後は日経平均株価が下げ幅を拡大したこともあって、 142円80銭台で底堅く推移し、結局は6銭高の142円86銭で引けた。

クレディ・スイス証券の海老原慎司債券ストラテジストは、海外 市場の動向を受けて債券相場は小じっかりだと言う。14日の米株式相 場は反落。イタリアの借り入れコストが上昇したため、欧州のソブリ ン債危機封じ込めが難航するとの懸念が強まった。S&P500種株価 指数は前営業日比1%安の1251.78。一方、米国債市場では30年債が 3営業日ぶりに反発した。

イタリア5年債利回りが入札後に上昇し、ドイツ国債に対するス ペイン10年債の上乗せ利回りがユーロ導入後の最大に拡大したため、 米株相場は下落。ドイツのショイブレ財務相が欧州の恒久的な救済基 金である欧州安定化メカニズム(ESM)の発足が2013年の開始予定 日から前倒しされない可能性を指摘すると、株価は下げ足を速めた。

5年債入札、応札倍率が上昇

財務省がこの日実施した表面利率0.3%の5年利付国債(100回債) の入札結果によると、最低落札価格は99円85銭となり、事前予想の 99円84銭を上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均 落札価格との差)は1銭となり、前回のゼロ銭から若干拡大。応札倍 率は3.51倍となり、4カ月ぶり高水準となった。第2非価格競争入札 の落札額は3313億円。

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、5年債入札に ついて、クーポン(表面利率)は低いものの、新しい回号になったこ とが好感されたと言い、「投資家から需要が入り、良い結果となった」 と分析。また、トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンド マネジャーは「5年国債入札は順調な結果だった。金利水準が低いだ けに値上がり益を狙える環境ではないが、需要が強いことが確認でき た」と話した。

日本相互証券によると、この日入札された5年物の100回債利回 りは、午後の業者間取引では0.335%で寄り付いた。その後は0.325% -0.33%で推移している。

長期金利は0.965%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前日比1ベーシスポイント(bp)低い0.965%で始まり、直後に

0.97%を付けた。午後に入ると再び0.965%で推移している。

トヨタアセットの深代氏は「欧州の信用問題は今後も長期化は避 けられない。政策対応があって一時的に楽観見通しが広がっても、基 本的に内外金利は低位安定する方向。今後さらに欧州の実体経済への 影響が意識されれば、長期金利は1%割れの推移が続くことも考えら れる」と話した。

現物債は全般的にしっかり。5年物の99回債利回りは1bp低い

0.335%に下げている。20年物の130回債利回りは1bp低い1.715%。 30年物の35回債利回りは0.5bp低い1.92%。

--取材協力 赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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