米国株:反落、金融株が大幅安-イタリア債利回り上昇を嫌気

米株式相場は反落。S&P 500種株価指数は3営業日ぶりに下落した。イタリアの借り入れコ ストが上昇したため、欧州のソブリン債危機封じ込めが難航すると の懸念が強まった。

モルガン・スタンレーとシティグループが下落。バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)も安い。資本を強化するため、保有する中 国建設銀行株を売却したことが嫌気された。カストディー(証券管 理)業務最大手バンク・オブ・ニューヨーク(BNY)メロンは

4.5%安。今四半期に最大1億ドルの費用を計上すると発表したこ とが売りを誘った。

一方、ボーイングは1.5%上昇。アラブ首長国連邦(UAE) ドバイ首長国のエミレーツ航空から過去最大となる260億ドル相当 の受注を獲得したことが手掛かり。

S&P500種株価指数は前営業日比1%安の1251.78。ダ ウ工業株30種平均は74.70ドル(0.6%)安の12078.98ドル。 米証券取引所全体の出来高概算は約55億株と、4月25日以来の薄 商い。

チェース・インベストメント・カウンセル(バージニア州シャ ーロッツビル)のピーター・タズ社長は電話インタビューで「利回 り急上昇で市場の不透明感が強まった」と指摘。「先週、欧州から 良いニュースがわずかに聞かれたからと言って、金融業界の回復に 向けた多くの課題がなくなったわけではない」と述べた。

イタリア国債利回りが上昇

イタリア5年債利回りは入札後に上昇した。スペイン債も売られ、 同10年債のドイツ国債に対する上乗せ利回りがユーロ導入後の最大 に拡大した。ドイツのショイブレ財務相が欧州の恒久的な救済基金で ある欧州安定化メカニズム(ESM)の発足が2013年の開始予定日 から前倒しされない可能性を指摘すると、株価は下げ足を速めた。ド イツのメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)がユーロ採 用国に「自発的な」離脱手段を認める動議を採択したことも売り材料。

ベアリング・アセット・マネジメントで運用に携わるヘイズ・ ミラー氏は電話インタビューで「世界の金融システムには多くのリ スクがある。問題の規模は巨大だ。この問題を解決するまで、大型 デフォルト(債務不履行)のリスクがなくなることはない」と述べ た。

ストックス欧州600指数の金融株は1.8%安。S&P500種 の中では金融株が2%下げ、全10セクターで最も下げがきつい。 モルガン・スタンレーは2.7%、シティは3.2%それぞれ下げた。

クレディ・スイス

クレディ・スイス・グループは3.4%安。米格付け会社ムーデ ィーズ・インベスターズ・サービスがクレディの長期信用格付けを 引き下げる可能性がある。同行の7-9月(第3四半期)決算では 投資銀行部門が赤字となったほか、ウェルスマネジメント部門の収 入が減少した。

BOA株は2.6%下落。保有する中国建設銀行株、約104億株 を私募形式で投資家グループに売却した。BOAが14日明らかに したところによると、売却は税引き後で約18億ドル(約1400億 円)の利益につながる見込み。売却完了後のBOAの建設銀持ち分 は約1%になるという。

BNYメロンは4.5%下落。同行は2015年までに税引き前で 最大7億ドルの費用削減計画を明らかにした。外国為替取引絡みの 訴訟費用やゼロに近い金利からの収入減を受けてコスト削減に動い ている。

ボーイングは上昇

一方、ボーイングは1.5%上昇し、ダウ平均構成銘柄で最も上 げた。エミレーツ航空から最大70機の「777」型機の受注を獲得。 受注規模は260億ドル(約2兆円)相当とボーイングの約100年 の歴史で最大となる。

住宅関連用品小売り大手のローズは1.7%上昇。8-10月 (第3四半期)決算で利益がアナリスト予想を上回った。既存店で の売り上げが寄与した。

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