日本株上昇、欧米懸念後退し輸出や金融買い-オリンパスストップ高

東京株式相場は上昇。欧州債務危 機や米国経済の先行きに対する懸念が後退し、電機や機械など輸出関 連、鉄鋼など素材関連、証券など金融株が幅広く買われた。上場維持 となる公算が出てきた、と一部報道で伝えられたオリンパスは制限値 幅いっぱいのストップ高。

TOPIXの終値は前週末比6.72ポイント(0.9%)高の735.85、 日経平均株価は同89円23銭(1.1%)高の8603円70銭。

MU投資顧問株式運用部の野田清史チーフファンドマネジャーは、 「急伸していたイタリアの国債利回りがひとまず低下に向かい始めた ほか、予想以上の改善を示す米経済指標も発表され、投資家はやや落 ち着きを取り戻した」と見ていた。

イタリアでは、財政安定法案が11日に上院、12日に下院で可決。 ベルルスコーニ首相は12日夜に辞任し、モンティ元欧州委員を首班と する連立政権の樹立の準備が整った。財政再建が進むとの期待から、 欧州債市場ではイタリア10年債利回りが低下。10日には一時7.4%ま で上昇したが、11日は6.45%で終えた。このほかギリシャでは11日、 パパデモス前欧州中央銀行(ECB)副総裁を新首相に任命し、連立 暫定政権が発足した。

米年末商戦への期待も

一方、米国では11月のトムソン・ロイター/ミシガン大学消費者 マインド指数(速報値)が64.2と、前月の60.9から上昇。6月以来 の高水準となり、エコノミスト予想の中央値61.5も上回った。

これらの材料を受けた11日の欧米株式は、ダウ工業株30種平均 が2%超上げるなど大きく上昇。世界的な投資家のリスク回避姿勢が 和らぐ中、米消費者マインド指数の上振れについて、大和証券投資情 報部の西村由美次長は「米国の年末商戦への期待感」も浮上した、と 受け止めていた。

欧米需要が後退するとの懸念が和らぎ、東証1部売買代金上位で はコマツやファナック、ソニー、日産自動車など輸出関連株が上昇。 三菱商事や三井物産など商社株も買われた。商社株は、11日のニュー ヨーク原油先物の終値が7月26 日以来の高値となったことが支援材 料。野村ホールディングスが5.8%高と急反発するなど、証券・商品 先物取引は33業種の値上がり率1位だった。きょう午後に4-9月決 算発表を控えていた三井住友フィナンシャルグループなど、3大金融 グループもそろって高い。

オリンパス買いも安心感、指数は伸び悩む

大和証の西村氏は、「オリンパスが買いを集めたことも、センチメ ントにプラス」と見ていた。同社については、証券取引等監視委員会 が旧経営陣の個人による企業買収をめぐる不正疑惑と、会社が問われ る有価証券報告書の虚偽記載問題を切り離し、虚偽記載は課徴金など の行政処分にとどめる方向で検討に入るもよう、と12日付の毎日新聞 朝刊が報道。オリンパスは上場維持となる公算が出てきたとも同紙は 伝え、株価は終日買い気配が続き、結局ストップ高で一部配分された。

もっとも、日経平均は朝方に140円高の8655円まで上げた後は伸 び悩み。丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「為替市場で円がじり高基 調となったことが足かせ」と指摘。世界的な景気減速やタイ洪水の影 響などで、輸出関連株は「もともと下期の業績懸念があるが、円高が これ以上進行すると、一段の業績下振れもあり得る」と警戒感を示し た。また欧州で、イタリア政府が14日、最大30億ユーロの5年債入 札の実施を控えていたことも、買い手控えにつながった。

GDP影響は限定、売買代金はことし2番目低さ

一方、内閣府がきょう午前8時50分に発表した7-9月期の国内 総生産(GDP)1次速報値は、前期比年率6.0%増と4四半期ぶり にプラス成長(4-6月は2.1%減)となった。事前のエコノミスト 調査(対象26人)による前期比年率の予想中央値は5.9%増。

マネックス証券の金山敏之シニア・マーケット・アナリストはG DPについて、「震災からの立ち上がりが成長率を押し上げた形で、日 本経済の好調さを示している訳ではない」と指摘。投資家の関心が欧 米動向に集まる中、市場コンセンサスの範囲内に収まったこともあり、 「相場への影響はあまりない」としていた。

東証1部の売買高は概算で14億1434万株、売買代金は8207億円。 売買代金は年初来最低だった10月21日(7755億円)以来の低水準と なった。MU投資顧問の野田氏は、「イタリアの財政再建が進むかどう かよく分からず、欧米景気の先行きも読みにくく、焦って動く必要は ないとして、長期の投資家が様子見姿勢にある」と言う。

東証1部の値上がり銘柄数は1059、値下がりは441。33業種では 証券・商品先物、鉄鋼、その他金融、精密機器、機械、ガラス・土石 製品、卸売、銀行、輸送用機器、電気機器など30業種が上昇。陸運、 サービス、情報・通信の3業種は安い。売買代金上位で下げた銘柄は JT、NTTドコモなどで、山口県の南陽事業所で火災が発生した東 ソーは、今後の業績への影響などが懸念され急落した。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前週末比0.4%高の47.69 と5営業日ぶりに小反発、東証マザーズ指数は1.4%高の393.88と続 伸した。

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