債券は下落、イタリア懸念後退し日米株高が重し-GDPほぼ予想通り

債券相場は下落。前週末の米国市 場で、経済指標の改善やイタリアの財政緊縮策可決を好感し、株式相 場が上昇した流れを引き継ぎ、日経平均株価が続伸し、円債市場は売 りが優勢となった。7-9月期の実質国内総生産(GDP)は4四半 期ぶりプラス成長となり、ほぼ市場予想通りと受け止められた。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松伸仁シニアイ ンベストメントマネジャーは「海外市場で、イタリアをめぐる欧州債 務懸念がいったん後退し、リスクオフ(回避)に傾いていた動きが一 服したことから、円債市場は弱含みとなった。GDP統計も予想の範 囲内ながら悪くなかった」と説明した。もっとも「円高傾向が続いて おり、国内株価が伸び悩んだことから下げ幅も限定的」とも述べた。

東京先物市場で中心限月12月物は、前週末終値比10銭安の142 円77銭で始まった後、一時19銭安の142円68銭まで下落し、7日以 来の安値を付けた。その後は、日経平均株価が伸び悩んだことから、 徐々に下げ幅を縮め、6銭安の142円81銭まで値を戻した。結局、7 銭安の142円80銭で引けた。

国内株式市場で日経平均株価は続伸。一時140円高まで上昇した 後、前週末比89円23銭高の8603円70銭で取引を終えた。

前週末11日の米株式相場は上昇。米消費者マインド指数が予想を 上回ったほか、イタリア上院で緊縮策が可決され欧州債務危機への懸 念が緩和したのが背景。S&P500種株価指数は前日比2%高の

1263.85。一方、米国債市場はベテランズデーの祝日で休場。

新発10年債利回りは0.975%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前週末比1ベーシスポイント(bp)高の0.975%で始まった。 その後は、同水準で推移している。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「債券相 場は海外要因で売りが先行した。イタリアの財政安定化法案が可決さ れ、モンティ新内閣が成立する見通しとなって、株高の流れとなった ことが背景にある」と指摘。「次はスペイン、フランスに波及という人 もいるが、すぐにイベントリスクというイメージは持っていない。欧 州懸念は今週はいったん薄れるのではないか」と語った。

中期債や超長期債も軟調。5年物99回債利回りは一時1bp高い

0.35%、20年物130回債利回りは2bp高い1.73%、30年物35回債利 回りは2.5bp高い1.93%まで上昇した。

内閣府が朝方発表した7-9月期実質GDPは、前期比年率

6.0%上昇と、4四半期ぶりのプラス成長に転じた。ブルームバーグの 事前予測調査では、年率5.9%上昇が見込まれていた。

みずほ証の上野氏は「市場予想に沿った内容だった。古い数字と 受け止められ、相場の材料にはならないだろう」とみていた。一方、 JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは「7-9月期GD Pは、予想並みの大幅なプラス成長となったが、10-12月期以降の成 長率鈍化が不可避の状況下、欧州財政危機などにより、今後のGDP がどの程度減速するのかが政策当局の議論の焦点になる」と分析した。

あす5年債入札

財務省はあす15日、5年利付国債の入札を実施する。表面利率(ク ーポン)は前回債より0.1ポイント低い0.3%か、横ばいの0.4%が予 想されている。発行額は前回債と同額の2兆4000億円程度。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、5年債入札 について「クーポンが0.3%になるか0.4%か微妙。利回りが0.35% を上回る水準であれば、無難な結果が予想される」と述べた。また損 保ジャパン日本興亜アセットの平松氏も「水準的にあまり魅力はない が、キャリー(金利収入)を取るために一定の資金を振り向ける投資 家の買いが見込まれ、無難な結果になるのではないか」と予想してい る。

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