世界のニッケル需給、来年は4年ぶりの大幅な供給過剰の公算-住友鉱

2012年の世界のニッケル需給は、4 年ぶりの大幅な供給過剰になる可能性があると、国内ニッケル製錬メー カー最大手の住友金属鉱山はみている。相次ぐプロジェクトの操業で供 給の伸びが需要を上回る見通しという。

住友鉱ニッケル営業・原料部の肥後亨部長が11日、ブルームバーグ とのインタビューで述べた。12年の世界のニッケル生産量は前年比7.3 %増の169万2000トン、消費量は4.6%増の163万8000トンとなり、需給 バランスは5万4000トンの供給過剰となる見通しだ。11年は1万1000ト ンの供給過剰だった。

12年の過剰幅はリーマン・ショックによる需要の落ち込みの影響で 7万4000トンの過剰だった08年以来の高い水準となる。肥後部長は「今 年から稼働を開始したプロジェクトの本格的な操業が始まるほか、トラ ブルのあった製錬所などの操業も回復する見通し。来年から始まる複数 の新規プロジェクトも影響する」と述べた。

こうした新規プロジェクトの一つには、カナダの資源会社シェリッ トが主導し、住友商事も参加するマダガスカルのアンバトビー事業があ る。住商の加藤進社長が7日の決算説明会で述べたところによると、年 間生産能力6万トンの同事業では、来年1月半ばごろの操業開始、12年 中には8割程度までの操業度を見込んでいる。

国内の12年のニッケル生産量は前年比12%増の17万1000トン、消費 量は1.4%増の15万1100トンを見込む。国内生産の回復に伴い輸出量も 23%増の8万2500トンに増える。足元での国内需要については、タイで の洪水の影響による自動車生産の減産を受けて、11月以降の受注は減少 気味という。

ロンドン金属取引所(LME)のニッケル先物相場(3カ月物)は 7月下旬には1トン当たり2万5000ドル超まで上昇したが、足元では1 万8000ドル超まで下落。肥後氏は「これ以上価格が下がると生産者の採 算面からも供給量は減る」として「現在の1万8000ドル前後は底」と述 べた。ニッケルは主にステンレス鋼の副原料向けに使われている。

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