イタリア新首相にモンティ氏、連立政権組閣へ-大統領が指名

欧州債務危機への対応に失敗し たイタリアのベルルスコーニ首相の退陣を受け、元欧州委員会競争政 策担当委員のマリオ・モンティ氏が新内閣の首班に指名された。

ナポリターノ大統領は13日、クイリナーレ宮殿で各政党と意見 調整後、モンティ氏(68)を首相に指名した。

モンティ氏が首相に正式に就任するには、まず新内閣の閣僚名簿 を提出しなくてはならない。その後、議会の上下両院に承認される必 要がある。ベルルスコーニ氏が率いる与党・自由国民の指導部はすで に大統領に対し、モンティ内閣を支持する意向を表明しており、今週 に実施が見込まれる議会採決での承認はほぼ確実となっている。

ナポリターノ大統領は全国放送された演説で、「2時間で組閣し ようとしても結局はずっと多くの時間がかかる。どの程度の時間を要 するかは全く議論されなかった」とした上で、モンティ氏は閣僚名簿 の提出に向け、意見を聴いて評価を行いながらできるだけ速やかに行 動すると語った。

ベルルスコーニ政権は、ユーロ圏で2番目に重い債務負担を抱え る同国の10年債利回りが7%を突破し、ギリシャとアイルランド、 ポルトガルに国際支援の要請を余儀なくさせた水準に急騰したことや、 造反者の続出で過半数を失ったことで崩壊に至った。モンティ新政権 が取り組む優先事項は、債務削減措置の実行やこの10年余りユーロ 圏平均を下回っている同国成長率の押し上げだ。

「EUの強い構成要素に」

モンティ氏は大統領との会談後、「イタリアは欧州連合(EU) において、弱い構成要素ではなく再び強い構成要素になる必要がある」 と発言。イタリアがEU発足に貢献したことを強調し、「われわれは EU内の主役にならなくてはならない」と語った。また、経済成長の 押し上げなどに重点を置く計画を推進すると述べた。

アレッティ・ジェスティエレ(ミラノ)の最高投資責任者(CI O)、ファブリツィオ・フィオリーニ氏はインタビューに応じ、「利 回り格差(スプレッド)はモンティ氏の首相指名で若干縮小するはず だ。ただその影響が及ぶのは主として短期債になるだろう」と指摘。 「モンティ氏指名で約25ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)、閣僚名簿と政治プログラムでさらに25bpの縮小を見込 んでいる。10年債のスプレッド縮小幅はその約半分にとどまるだろう」 と分析した。

9日の欧州債市場で、イタリア10年債利回りは7.48%と、ユー ロ導入後の最高を更新。ドイツ10年債とのスプレッドは年間平均の 2倍余りの575bpとなった。イタリア2年債利回りは10日、一時

7.14%を付けた。10日に実施した1年物証券の入札で平均落札利回 りは6.087%と、この14年余りで最高水準となった。

モンティ氏の横顔

イタリアで最高水準のビジネススクールを持つボッコーニ大学の 総長であるモンティ氏はエコノミストで、米ゴールドマン・サック ス・グループのアドバイザーも務める。

イタリア紙コリエレ・デラ・セラが情報源を明示せずに報じたと ころによると、モンティ氏は新政権の重要ポストにボッコーニ大学の 教授らを据える計画で、同大のグイド・タベリーニ教授(経済学、55) を財務相に指名する可能性がある。また外相には元首相で現在ドイツ 銀行のアドバイザーのジュリアーノ・アマート氏を起用する公算があ るという。

モンティ氏は、約10年間欧州委員を務めた。最初は域内市場担 当で、その後競争政策担当となった。競争政策担当委員時代の2001 年、同氏は米総合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)による航空 機操縦システム会社米ハネウエル・インターナショナルの買収計画を 差し止めた。米当局が承認した統合計画をEUが差し止めた初の事例 となった。またマイクロソフトに対し過去最高の4億9700万ユーロ (現在の為替相場で約530億円)の制裁金を課した。同氏は6年前か ら、ゴールドマンの国際アドバイザーを務めている。

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