【コラム】オリンパス問題で刑務所に行く幹部はいるのか-Wペセック

オリンパス問題でまた新たな興味 をそそられる展開があった。

今回巻き起こったのは、創業92年のカメラメーカーで日本株式会 社の象徴だったオリンパスが上場廃止になるかもしれないという観測 だ。これを単なる仮定の問題で済ませてはならない。オリンパスは1990 年代の巨額損失の穴埋めに何億ドルもの資金を使っていたことを発表 した。上場廃止にするだけではなく、取締役全員を解任すべきだ。

それでも未回答の問題がまだ残されている。この損失は正確には 何だったのか。誰がどのように隠し、誰がそれを知っていたのか。組 織犯罪のメンバーは何か役割を果たしたのか。監督当局はどこにいた のか。同じような不正を隠している企業が他にもあるのか。

ここで、日本では思い切って聞く人がほとんどいない質問をして みよう。オリンパスの幹部で実際に刑務所に行く人はいるのだろうか。

日本人は昔からホワイトカラーの犯罪には寛容なため、以前だっ たら答えはノーだった。オリンパスの経営陣がカメラの前で頭を下げ、 謝罪し、涙を流す、というのが恒例のパターンだった。日本で何度も 繰り返し上演されている「企業歌舞伎」だ。犯した罪に対して責任を 取るふりさえすれば、すべてを水に流してもらえたのだ。

ライブドア事件

だがライブドア事件後は、そのように水に流してもらうのは難し くなっている。堀江貴文元ライブドア社長は2007年に粉飾決算で実刑 判決を受けた。しかし多くの人は、堀江氏の本当の罪は日本企業の排 他的で閉鎖的な体質を批判したことだと感じていた。堀江氏の歯に衣 (きぬ)着せぬ話し方や、同氏が好んだジーンズにTシャツという服 装は、権力者層の神経を逆なでした。

07年には、記憶に残る事件がもう一つ起きている。物言う株主と して知られた村上世彰氏がインサイダー取引で東京地裁から実刑判決 を言い渡されたことだ。日本の企業統治に最も批判的で、当時それぞ れ30代と40代だった人間2人が有罪になったのは、驚くべき偶然と 言えよう。

このような経緯もあり、日本株式会社が以前のような状況に回帰 するのは難しくなっている。また、オリンパス問題の規模や深さ、時 間の長さを考えると、世界的な注目の中で臭い物にふたをすることは 不可能だ。

菊川剛前会長などオリンパス幹部は、有罪になれば最高で懲役10 年の刑事罰を受ける可能性がある。日本の国際的評価を傷つけている この問題の責任を取って誰かが刑務所に行ってくれることを願おう。 そうでなければ、日本経済への信頼感が犠牲になってしまう。 (ウィリアム・ペセック)

(ウィリアム・ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラム ニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題: Will Someone at Olympus Go to Jail?: The Ticker(抜粋)

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 亀山 律子 Ritsuko Kameyama +81-3-3201-7441 rkameyama@bloomberg.net Editor:Masami Kakuta、 Ryoji Uchida 記事に関する記者への問い合わせ先: 記事に関するエディターへの問い合わせ先:

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