デモ隊が「恥を知れ」と叫ぶ中、抽象画48億円で落札-米NYの競売

サザビーズが9日夜、ニューヨ ークで開いた過去3年間で最大規模の現代美術オークションで、米画家 クリフォード・スティルの抽象画が、この画家の作品としては過去最高 の6170万ドル(約48億円)で落札された。会場の外では、「恥を知 れ」と叫ぶデモ隊の声が響いた。

マンハッタンのヨーク街にあるサザビーズ本社で開かれたオークシ ョンの売り上げは総額3億1580万ドルに上り、ドイツの画家ゲルハル ト・リヒターと米画家ジョアン・ミッチェルの作品もそれぞれの芸術家 としては最高値を記録した。会場の建物が面した通りでは、美術品取扱 業者のほか「ウォール街を占拠せよ」をスローガンとするデモの参加者 や、組合に加盟している音楽家が大音量でラテン音楽を演奏しながら行 進した。7月29日以降、美術品取扱業者42社が契約に関する問題を 理由に上場している競売会社から締め出されている。

ニューヨークを拠点とする美術品ディーラー、リチャード・フェイ ゲン氏は「デモは、持てる者と持たざる者との格差の拡大を体現してい る」と指摘。「外でデモに参加している人々は仕事や家を失っている。 そして、ここにいる人々は美術品に数百万ドルをつぎ込んでいる」と語 る。

サザビーズとしては2008年5月以降で最大規模のこのオークショ ンの売り上げは、手数料別で予想の2億7000万ドルを上回った。

ニューヨークを拠点とする美術品収集家のラリー・ウォーシュ氏は 「一流の世界的な芸術家は分散投資戦略の一環として認識されている」 と指摘。「需給の問題があるため、価格決定については非常に強いプレ ッシャーがかかっている」と述べた。

スティルの抽象画「1949-A-No. 1」は、クリスティーズ・インタ ーナショナルが06年に開いたオークションで付けたこの画家の従来の 最高値2130万ドルを上回った。サザビーズの北米・南米部門会長のリサ ・デニッソン氏が代理人を務め、電話による応札者が落札した。同氏は ニューヨークを拠点とするディーラー、クリストファー・エイキン氏と 激しい応札合戦を繰り広げた。エイキン氏は携帯電話を耳に当て、口元 を手で覆って参加していた。

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