ユーロ分裂「パンドラの箱」開けた独仏首脳-イタリアは何番目か

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【記者:Simon Kennedy】

11月11日(ブルームバーグ):ギリシャにユーロ圏の一員として 責任を果たすことを強く迫るドイツのメルケル首相とフランスのサルコ ジ大統領の動きは、裏目に出る危険をはらんでいる。

欧州単一通貨ユーロの番人らが、ユーロ導入国の離脱の可能性に初 めて公に言及して1週間が経過した。高債務国の脱出シュートの準備に ドイツの政治家が既に着手しているという懸念が広がり、米国の株価は 下落した。

ギリシャを筆頭にどの国がユーロ圏から離脱する可能性が最も大き いかが投資の材料となり、欧州危機がより深刻な新たな段階に入りつつ ある状況を市場の急落は示唆している。高債務国が財政の立て直しが可 能だと投資家に納得させることが難しくなるだけでなく、メルケル首相 やサルコジ大統領、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がユーロ防衛 を強化することを妨げるリスクがある。

英財務省の元当局者で、VTBキャピタル(ロンドン)でグローバ ル・マクロストラテジストを務めるニール・マッキノン氏はブルームバ ーグテレビジョンとのインタビューで、「これは危険な段階だ。われわ れは全く突然、今の形の欧州通貨同盟(EMU)の将来について議論せ ざるを得なくなっている」と述べた。

ギリシャだけではない

メルケル首相とサルコジ大統領はフランスのカンヌで2日深夜、ギ リシャのパパンドレウ首相に対し、欧州の包括支援策受け入れの賛否を 問う国民投票をユーロ圏にとどまりたいかどうかの投票と位置付けるべ きだと迫り、ユーロ導入国の数が減る可能性があるとの観測に火が付い た。

英HSBCホールディングスのチーフエコノミスト、スティーブ ン・キング氏は今週、独仏首脳がギリシャ神話に出てくる「パンドラの 箱」を開けたとの見方を示した。同氏は顧客向けのリポートで、「いっ たんユーロ圏に入った国の離脱は決してない」という前提を覆し、ユー ロ圏のルールに従えない国は出ていく必要があることを意味しており、 「ギリシャに言えることは、イタリアにも当てはまる」と警告する。

ユーロ圏の新たな境界線

欧州連合(EU)が12月9日に開く首脳会議で、ユーロ圏の境界 線を書き換える全欧州的な意欲が示される可能性もある。欧州政策研究 所(CEPS、ブリュッセル)のダニエル・グロス所長は「ギリシャ後 のユーロ圏離脱条項について協議が行われるかもしれない」と話す。

英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユ ニット(EIU)は先月、「ユーロゲドン(ユーロ終焉)の後」と題す る特集で、ユーロ分裂後の顔触れがドイツとオーストリア、ベルギー、 フィンランド、ルクセンブルク、オランダ、スロバキア、スロベニア、 エストニアになると予想。ギリシャが最初に離脱し、最終的にポルトガ ルとアイルランド、イタリア、スペイン、マルタ、キプロスも後に続く との見通しを示している。

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