TOPIXが小幅続落、円高や企業業績・統治に懸念-大王紙は急落

東京株式相場は、TOPIXが小 幅続落。欧州情勢はやや落ち着いたものの、為替市場では円が高止ま りし、企業業績の低調、前日にはオリンパス、大王製紙の両社が東京 証券取引所の監理銘柄に指定されるなど企業統治の問題から全般的に 買いが手控えられ、終日方向感の乏しい展開だった。

大王紙急落の影響でパルプ・紙株が東証1部33業種の下落率1位。 海運や鉄鋼、証券や銀行など金融株の一角も安かった。一方、ゴム製 品やガラス・土石製品が高く、国際原油市況の反発を受け石油・石炭 製品など資源関連の一部が高い。

TOPIXの終値は前日比1.17ポイント(0.2%)安の729.13、 日経平均株価は同13円67銭(0.2%)高の8514円47銭。プラスで終 えた日経平均だが、一時約1カ月ぶりに8500円を割れる場面もあった。

みずほ投信投資顧問株式運用第2部長の岡本佳久執行役員は、企 業業績の下期からのV字回復イメージが後退しているといい、「海外の 情勢が改善しても、素直に反応しない」と指摘した。また、日本のコ ーポレートガバナンス(企業統治)に対する不信感も、海外投資家を 一時的に日本株離れにさせている可能性がある、と言う。

10日の欧州では、ギリシャでパパデモス前欧州中央銀行(ECB) 副総裁が次期政権の首相に任命され、イタリアでは、ナポリターノ大 統領がマリオ・モンティ元欧州委員を首班とする暫定政権を早ければ 13日に指名する可能性がある、とイタリア紙ソレ24オレが報じた。

欧州動向がやや落ち着く兆しを見せ、10日の米国株はダウ工業株 30種平均が1%上昇。その流れを受けて始まったきょうの日本株だっ たが、野村証券投資調査部の若生寿一シニアストラテジストは、為替 が円高水準を維持、企業の業績下方修正も相次ぐ中で「買い進められ る環境にはない」と話していた。

高めPERを敬遠、円高警戒も

またバリュエーション面では、ブルームバーグ・データによると 東証1部の予想PERは14.5倍と1けたの欧州、米国の12倍と比べ 高い水準にある。立花証券の平野憲一執行役員は、相場の弱さについ て「国内主要企業の業績下方修正で1株当たり利益が低下し、PER が高めになっていることも背景」と見る。

さらに東京外国為替市場では、前日に急上昇した円・ユーロ相場 は、引き続き1ユーロ=105円中盤で推移、円・ドル相場も1ドル= 77円台中盤と直近の円高水準で取引され、相場全体の重しになった。

個別では、76%の権益を保有するオーストラリア西部沖の液化天 然ガス開発プロジェクトの開発コストが膨らみ、権益の一部を売却す る見方が浮上していると豪紙が報じた国際石油開発帝石が一時大幅安。 決算減益銘柄ではイーグル工業、ドワンゴなどが東証1部の下落率上 位に並んだ。一方、ハワード・ストリンガー最高経営責任者(CEO) が現職にとどまり、苦戦が続く同社の業績立て直しに取り組む決意を 示したソニーが上昇。米紙ウォールストリートジャーナル電子版が同 日報じたところでは、同CEOはこれまでとは異なる種別のテレビに 巨額の開発費用を投じていると話した、という。

1部上場2社が監理銘柄

東証は10日、オリンパスと大王紙2社を上場廃止基準に抵触する 可能性がある企業として投資家に周知させる監理銘柄(確認中)に指 定した。両社が第2四半期報告書を提出期限の14日までに提出できな い見込みとなったことを受けた措置。四半期報告書を法定提出期間の 経過後1カ月以内に提出しなかった場合、両社株は上場廃止になる。 大王紙では提出遅延の理由について、連結子会社から元会長に対する 貸付が判明したことに伴う影響などの検討が続いているため、とした。

オリンパスは乱高下しながらも、結局5%安で終了。大王紙は制 限値幅いっぱいのストップ安で東証1部の下落率トップだった。

東証1部の売買高は概算で16億6391万株、売買代金は1兆354 億円。 値上がり銘柄数が635、値下がりは843。きょうの取引開始時 は株価指数オプション11月限の特別清算値(SQ)算出で、日経225 型のSQは前日終値を42円2銭上回る8542円82銭だった。大和証券 キャピ タル・マーケッツなど複数の証券会社調べによる。

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