ギリシャ新首相にパパデモス氏-破綻回避目指し金融支援を確保へ

ギリシャで10日、連立暫定政権 を率いる次期首相にパパデモス前欧州中央銀行(ECB)副総裁が指 名された。暫定政権は経済破綻を回避するべく国際金融支援を確保す る任務に臨む。

大統領府が電子メールで配布した声明によると、パプリアス大統 領はパパンドレウ首相と野党の新民主主義党(ND)サマラス党首、 国民正統派運動(LAOS)カラザフェリス党首からの提案を受けて パパデモス氏に組閣を命じた。新政府閣僚は11日午後2時(日本時間 午後9時)に宣誓就任する。

パパデモス氏は任命後、記者団に「私は政治家ではないが、職業 人としての人生の最大部分を、ギリシャと欧州の経済政策にささげて きた」とした上で、「財政再建と競争力強化へ大変な努力がなされた後 もまだ、ギリシャ経済は巨大な問題に直面している。ギリシャはその 運命を決める岐路に立たされている」と指摘した。

パパデモス氏の指名で、首相と野党党首らの4日にわたる議論は ようやく決着した。パパンドレウ首相は9日テレビ放映された演説で、 与野党が次期政府について合意したと発表し、辞任に備えていた。ギ リシャ救済プログラムについて国民投票を実施するという同首相の決 定は市場を動揺させ、ギリシャ国民と欧州連合(EU)諸国の怒りを 買った。

「ユーロ残留は金融安定の保証」

連立政権は10月26日に合意された1300億ユーロ(約13兆7000 億円)規模の第2次救済に連なる財政緊縮策の導入を果たした後、総 選挙に向かう。選挙は暫定的に来年2月19日に設定されている。当面 の急務は第1次救済に基づく80億ユーロの次回融資を確保すること だ。ギリシャ金融システムの崩壊を回避するには、12月半ばまでにこ の資金を受け取る必要がある。

パパデモス氏は「ギリシャのユーロ残留が金融安定の保証だと確 信している」とし、「これは経済的豊かさの目安だ。ギリシャが直面し ている困難にもかかわらずユーロ圏にとどまることは、経済の調整と 成長を助けることになる。われわれが結束を保つ限り、最終的な結果 について楽観するべきだ」と語った。

次期政権を待ち受ける困難は大きい。EUの欧州委員会はこの日 の報告で、5年連続で景気が縮小するギリシャの債務が2012年に国内 総生産(GDP)比で198%と今年の163%から跳ね上がるとの予想を 明らかにした。ギリシャ政府は12年の予算案で同比率を173%と試算 していた。

EUのファンロンパイ大統領と欧州委のバローゾ委員長は10日 の共同声明で、「ギリシャの次期政権は自国の債務を着実な縮小軌道に 乗せるために全力で取り組むことを、党派を超えた力強いメッセージ で示し、欧州各国に確約することが重要だ」と指摘。「民間投資家によ る自発的な債券交換は計画通り2012年の初めに実施される」とした。

パパデモス氏(64)は元ギリシャ中銀総裁で、同国のユーロ導入 を監督した。10月29日付のトビマ紙に掲載された世論調査では、連 立政権の新首相候補として最も支持を集めていた。

みずほインターナショナルの欧州担当チーフエコノミスト、リカ ルド・バルビエリ氏(ロンドン在勤)は電話インタビューでパパデモ ス氏について、「EUやECBの当局者と同じ言語を話し、彼らの理念 を明らかに共有している」と指摘。「パパデモス氏にはギリシャの放漫 財政の責任はない。彼を責めることができるとすれば、ギリシャのユ ーロ導入を手助けしたという点だけだろう」と語った。

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