NY外為:ユーロ上昇、S&Pはフランスの最上級格付けを確認

ニューヨーク外国為替市場で はユーロがドルに対し1カ月ぶり安値から上昇。米格付け会社スタン ダード・アンド・プアーズ(S&P)がフランスの信用格付けは「A AA」で変わっていないと明確にしたことで、同国に債務危機が迫っ ているとの懸念が和らいだ。

イタリア政府が10日実施した入札で予定額を調達できたことか ら、同国の資金調達に対する懸念が後退し、一時ユーロは主要通貨の 大半に対して値上がりした。ギリシャではパパデモス前欧州中央銀行 (ECB)副総裁が次期政権の首相に任命された。ブラジル・レアル やノルウェー・クローネといった高利回り通貨は値上がり。米国株の 上昇が材料視された。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏は「フランスの格下げに関するうわさが流れたが、否 定された」とし、「これはリスク安定化という大きな流れの一部分では あるが、依然として非常に強い不透明感が残っている」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時半現在、ユーロは対ドルで前日比

0.5%高の1ユーロ=1.3608ドル。一時0.8%高まで上げた一方で、

1.3484ドルと10月10日以来の安値まで下げる場面もあった。対 円では0.3%値上がりし、105円65銭。一時104円73銭と10月 12日以来の安値まで下げた。円は対ドルで0.2%上昇し1ドル=77 円64銭。円は日本政府・日銀が大規模介入を実施した10月31日以 来の高値を付けた。

東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、政府・日本銀行が 10月31日に実施した大規模な円売り・ドル買い介入の後も、断続的 に「覆面」介入を行っていた可能性があるとの見方を示した。リポー トによれば加藤氏は、10月31日から11月4日までの介入額累計は およそ8兆7000億円から9兆1000億円になるとみている。

S&Pの誤情報配信

S&Pは、フランスの最上級格付けが引き下げられたと示唆する 情報が誤って一部の同社サービス契約者に10日配信されたと明らか にした。S&Pはフランスの「AAA」格付けを確認した。

S&Pは「技術的な誤りで、当社の『グローバル・クレジット・ ポータル』の一部契約者にフランスの信用格付けが変更されたと示唆 する情報が10日に自動的に送信された」と発表。「フランスの格付 けは『AAA/A-1+』、見通しは『ステーブル(安定的)』で変 わりはなく、今回の出来事は格付け調査の活動とは関連していない。 当社は今回の誤りの原因を調べている」とした。

欧州債市場ではフランス10年債の利回りが一時28ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)上昇し3.48%を付けた。ドイツ10 年債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は1.69ポイントと、ユ ーロ導入後の最大に拡大した。

イタリア国債

前日にはイタリア10年債の利回りが7%を超え、ユーロ導入来の 高水準となる7.48%に上昇した。7%は、ギリシャやポルトガルが救 済要請を余儀なくされる節目となった水準。イタリア10年債の利回り はこの日6.89%で、独国債とのスプレッドは5.11ポイント。前日は

5.53ポイントだった。

シティグループのストラテジスト、アンドルー・コックス氏 (ニューヨーク在勤)は「イタリア国債のスプレッド縮小をよそに、 フランス10年債のスプレッドは欧州市場での取引の終わりに過去最 大を記録した」と指摘。「S&Pはフランスの『AAA』格付けおよび 見通し『ステーブル』を確認したものの、ユーロ圏の情勢は引き続き 資産市場のセンチメントに影響を与える」と述べた。

イタリア政府は10日に入札を実施し、1年物証券50億ユーロ (約5300億円)を発行。平均落札利回りは6.087%で、投資家の需 要を測る指標の応札倍率は1.99倍だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE