ギリシャをユーロへ導いたパパデモス氏、今度は首相として残留に尽力

ギリシャの連立暫定政権の首相 に指名されたルーカス・パパデモス氏は10年以上前、中央銀行総裁 としてギリシャをユーロへと導いた。その後欧州中央銀行(ECB) の副総裁を務めた同氏は、今度は首相としてギリシャをユーロ圏にと どめるため腕を振るうことになった。

パパデモス氏(64)はギリシャ中銀総裁としての8年間にドイツ やフランスを上回る経済成長を達成し、2002年にECB副総裁とな った。直近には米ハーバード大学の客員教授兼パパンドレウ・ギリシ ャ首相の顧問を務めていた。ギリシャが数週以内にデフォルト(債務 不履行)に陥る瀬戸際に立たされている時期に、パパデモス氏は首相 に就任する。

パパデモス氏は選挙で選ばれたことはない。ロンドン・スクー ル・オブ・エコノミクス(LSE)の上級講師、スピロス・エコノミ デス氏は電話インタビューで、「パパデモス氏はギリシャが難局を乗 り切るための一時的なリーダーとして適任だが、政治的な基盤がない ことを忘れてはならない」として、「超党派連立政権が同氏を首相と して受け入れるのは、あらかじめ定められた期間に限定されるだろう」 と語った。

ドイツとフランスは先週、ギリシャが10月26日に合意された 救済策の条件履行を確言するまでは、いかなる追加支援も行わないと 警告した。それができないならばギリシャのユーロ離脱もあり得ると して、パパンドレウ首相とギリシャに決断を迫った。

ドラギECB総裁の後輩

パパデモス氏の仕事は国民の激しい抗議の標的になっている議会 をまとめ、次の緊急融資を確保するために必要な法案を通過させるこ とだ。

パパンドレウ首相が辞意表明し次期首相選びが本格化する前から、 パパデモス氏への国民の期待は高かった。カパ・リサーチがトビマ紙 の委託で行った世論調査で、パパデモス氏は最有力の候補だった。

ハーバード大学のウェブサイトによると、パパデモス氏はマサチ ューセッツ工科大学(MIT)で学び、物理学で学士号、電気工学で 修士号、経済学で博士号を得ている。今月ECB総裁に就任したマリ オ・ドラギ氏の後輩になる。

首相指名を受けたことでパパデモス氏は、計画していた大学での 講義「グローバル金融危機:政策対応とその課題」を断念し、既に1 年前に認識していた問題に取り組む。同氏は昨年11月10日に、ギ リシャの債務再編への懸念は行き過ぎているものの、その可能性を完 全に排除することはできないと語っていた。

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