ECB:危機対応で可能な措置もうあまりない-オランダ中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)政策 委員会メンバー、オランダ中銀のクノット総裁は10日、ユーロ圏の ソブリン債危機封じ込めでECBにできることは「もうあまりない」 との認識を示した。イタリアの借り入れコスト押し下げを目的とする 国債購入の大幅拡大にECBが消極的であることを示唆した。

クノット総裁はオランダのハーグで議員らに対し、「ECBに期 待できることはもうあまりない。各国政府にかかっている」と発言。 他のECB当局者3人もこれまでに、一段の市場介入を求める呼び掛 けへの対応に否定的な発言をしているほか、別の当局者2人も匿名で、 国債の購入規模を無制限にする計画はないと語っている。

ユーロ圏で3番目に経済規模の大きいイタリアの国債利回りは 7%を突破。ギリシャとポルトガル、アイルランドが欧州連合(EU) と国際通貨基金(IMF)に救済要請せざるを得なくなった利回り水 準に達した。危機発生から2年たっても欧州の政治家らは解決策を見 いだせず、通貨統合維持に向けた役割をECBが果たすよう求められ ている。

同中銀がこれまで買い入れた高債務国の国債は1830億ユーロ (約19兆2700億円)相当。ECBは国債購入の目的について、政 策金利を通じた金融政策が市場に浸透するのを確実にすることだけだ と説明している。また、インフレ加速につながらないよう、国債買い 取りで市場に供給した資金を吸収する不胎化を行っている。

不胎化できる限度

クノット総裁は不胎化が可能な限り、ECBは国債買い取りを継 続できると語った。ただ、「ポートフォリオが一段と拡大すれば、不 胎化はさらに困難になる」とも述べ、「市場介入は一時的かつ極めて 限定した効果しか得られない」と説明した。

ラボバンクのエコノミスト、エルビン・デフロート氏はECBが 不胎化できる「限度」は3000億ユーロだと試算する。

ユーロ参加国政府を救済するための国債購入はECBによる資金 支援であり、欧州連合(EU)条約によって禁止されていると、ドイ ツ連邦銀行のバイトマン総裁は今週に入って指摘。ECBのプラート 理事やシュタルク理事も同様の発言を行っている。

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