「覆面」実施の可能性も、31日以降の介入額8.7兆~9.1兆円か-東短リ

東短リサーチの加藤出チーフエ コノミストは、政府・日本銀行が10月31日に実施した大規模な円売 り・ドル買い介入の後も、断続的に「覆面」介入を行っていた可能性が あるとの見方を示した。また、大規模介入も含めて今月4日までの介入 総額が8兆7000億円から9兆1000億円に上ると試算した。

加藤氏は9日付のリポートで、日銀が公表する「当座預金増減要因 と金融調節」を基に、介入による円資金が2営業日後に市場に放出され るのを反映した「財政等要因の対民間支払い」が2日から8日の間に事 前予想よりも上振れしている点を指摘。財政等要因が連日のように余剰 方向にぶれることは珍しいとし、「何らかの特殊要因」が働いている可 能性があると分析している。

また、加藤氏は、日銀保有の国債残高が2日から8日までの4営業 日に、日々の金融調節(オペ)による購入分を除いて、9兆885億円 増加している点に注目。外国為替特別会計が介入資金調達の際に、日銀 に対して政府短期証券(FB)を直接発行するため、同残高が増加する と説明している。

加藤氏は、日銀保有国債残高は政府からの直接引き受けなどもあり 、オペ購入分を除いた増加分が介入実施額に相当するとは断言できない と指摘。もっとも、財政等要因が増加方向に振れていることと合わせて 推測すると、10月31日だけではなく、11月1日以降も中規模の介入 が実施されていた可能性はあると分析した。

同氏は、10月31日の介入額は8兆円程度と推計し、同日から今 月4日までの介入額累計はおよそ8兆7000億円から9兆1000億円に なるとみている。

介入効果は持続

政府が介入の事実を公表しない「覆面介入」を実施したとみられる 理由としては、「『バズーカ砲』のような大規模介入の連続実施は国際 関係上で無理がある中、効果的に市場に警戒心を与えることが目的だっ たのではないかと推測される」と言う。

政府・日銀が10月31日、円売り介入を実施した直前の円相場は 1ドル=75円60銭前後。介入を受け、一時79円53銭まで円が急落 した後は、77-78円台で安定的に推移。10日午後零時25分現在は77 円80銭前後で取引され、介入前水準から2円程度の円安を維持してい る。これに対し、1日限りの介入にとどまった8月の場合は、円高抑制 効果は4日しか持続しなかった。

11月初めにカンヌで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議 (サミット)は声明で、「基本的な経済のファンダメンタルズを反映す るため、市場が決める為替システムへの一段と速い移行と為替レートの 柔軟性向上に向けて注力することを確認する」と指摘していた。

--取材協力:近藤雅岐、Editor:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka, Masaru Aoki

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