スイス中銀、政財界が求めるフランの上限引き上げに消極的か

スイス国立銀行(SNB、中央 銀行)は、欧州ソブリン債危機の避難先として投資家がスイス・フ ランを求める中、一段のフラン安を求める政財界の声に抵抗してい る。

UBSのアナリストは、1ユーロ=1.20スイス・フランを上限 とするスイス中銀のフラン防衛策のコストが9月は約50億フラン (約4300億円)だったと試算する。政府の閣僚や労働組合は、同政 策では雇用がなお脅かされていると訴えている。金融当局は一段の フラン安を促すため口先介入の表現を強める一方、為替介入で2010 年に記録的な損失を計上したため、上限修正に伴うコストの負担に は消極的かもしれない。

スイスクオート銀行のチーフ為替アナリスト、ペーター・ロー ゼンストライヒ氏(ジュネーブ在勤)は8日の電話取材に対し、「ス イス中銀が相当なプレッシャーを受けているのは明らかだ」とした 上で、「次の動きは上限引き上げになるだろうという口先介入は市場 を十分納得させ、コストを全くかけずに極めて高い効果を上げた。 当局は非常に強いトーンを使い続けるだろう」と語った。

スイス中銀のヨルダン副総裁は7日、フランはなお「極めて高 過ぎる」との認識を示した上で、当局には必要に応じて物価に対す る脅威を防ぐ用意があると語った。フランの対ユーロ上限引き上げ を検討するのかどうかについてはコメントを控えたが、フランに対 する圧力は「当面」残るだろうとの見通しを示した。

大半の企業がスイス中銀によるフランの上限設定を歓迎する一 方、約38万人の労働者を代表するスイスの労働組合は先月18日、 少なくとも1.40フランに上限を引き上げるべきだと語った。

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