三菱商が過去最大の投資、チリ銅鉱山に4200億円-生産量8割増

三菱商事はチリ銅鉱山の投資に、同 社にとって過去最大規模となる4200億円を投じる。世界の銅市場では、 景気が堅調に推移している新興国などからの需要に供給が追いついてい ない状態が続いており、同社は銅の持ち分生産量を2012年に約8割増や す。

三菱商が10日発表した資料によると、同社は英鉱山会社アングロ・ アメリカンの完全子会社でチリに複数の銅鉱山を操業するアングロ・ア メリカン・スール社の株式24.5%を同日取得した。取得額は53億9000万 ドル(約4200億円)。これにより三菱商の銅の持ち分生産量は年間14万 トンから12年には25万トンに増える。

アングロスールはチリでロスブロンセス銅鉱山、エルソルダド銅鉱 山、チャグレス銅製錬所のほか大型の未開発鉱区も保有している。現在 年間26万トンの銅を生産しており拡張により12年には44万トンに増える 見通し。

今回の投資は、三菱商にとって一案件の投資規模として過去最大と なる。ブルームバーグ・データによると、今年の日本企業の海外の投資 案件としては武田薬品工業がスイスの医薬品メーカー、ニコメッドを96 億ユーロ(約9900億円)で買収したのに次ぐ規模となる。

株式取得に充てる資金について、三菱商・広報部の武居秀典・報道 チームリーダーは「基本的には手元流動性を活用し、制度金融の活用も 選択肢の一つと考えている」と述べた。

大和証券キャピタル・マーケッツの五百旗頭治郎シニアアナリスト は、今回の投資について現在の銅価格を基準にすれば拡張後に三菱商の 純利益は150億-200億円押し上げられると試算する。ただ「4200億円を 投じての投資リターンとしては高くはない」と評価している。

アングロスールの株式をめぐっては、銅生産で世界最大手のチリ銅 公社(コデルコ)が最大49%取得する権利の行使を検討していると10月 に発表していた。株式取得に向けて、三井物産がコデルコに67億5000万 ドル(約5200億円)を上限とする短期融資を実施することで合意してい る。

一方、アングロ・アメリカンのチリの責任者、ミゲル・デュラン氏 は、今回の三菱商によるアングロスール株の取得を受けて、コデルコの 出資が可能な比率は24.5%に低下すると述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE