日本株1カ月ぶり安値、イタリア不安の欧州波及警戒-全33業種下げ

東京株式相場は大幅反落し、TO PIX、日経平均株価とも約1カ月ぶりの安値を付けた。イタリア国 債利回りの上昇から欧州債務問題の深刻化、景気悪化への懸念が強ま り、投資家の間でリスク回避姿勢が再び拡大。輸出や資源関連、金融 株を中心に東証1部33業種はすべて下げた。

TOPIXの終値は前日比19.10ポイント(2.6%)安の730.30、 日経平均株価は同254円64銭(2.9%)安の8500円80銭と、いずれ も終値で10月5日以来の安値水準。

ベイビュー・アセット・マネジメントの高松一郎ファンドマネジ ャーは、ギリシャの債務問題が深刻な状況に陥ったことを受け、「投資 家は債務返済能力のあるイタリアに関しても『あつものに懲りてなま すを吹く』状態になっている」と指摘。また、「10月に株価が急回復 したことを受けた反動の側面もあるだろう」と言う。

国際通貨基金(IMF)に緊縮財政実施の監視を要請するなど債 務懸念が高まるイタリアでは、欧州の決済機関LCHクリアネットが 同国債を取引する顧客に求める証拠金の比率を引き上げると発表。こ れをきっかけに、9日の欧州債市場で同国10年国債利回りは1999年 のユーロ導入以降、初めて7%を超えた。

イタリア不安から9日の欧米株は大きく下げ、米国株オプション 取引の指標で、投資家の不安心理を示すシカゴ・ボラティリティ・イ ンデックス(VIX)は36.16と前日比32%急騰し、10月7日以来の 高水準となった。投資家のリスク回避姿勢を映し、ニューヨーク原油 先物12月限は6営業日ぶりに下落、10日朝の東京外国為替市場でユ ーロ・円は、1ユーロ=105円台前半まで円高・ユーロ安が進んだ。

機械受注の低調も追い打ち

東証33業種では、電機や輸送用機器など輸出関連、保険や銀行、 証券・商品先物取引など金融株、鉱業、商社を含む卸売など資源関連 などを中心に朝方から売りが先行。

また、内閣府が取引開始前に発表した9月の機械受注統計による と、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」は前月 比8.2%減の7386億円と、ブルームバーグがまとめた事前予測の中央 値7.1%減より悪化。内閣府は基調判断を、「持ち直し傾向にある」か ら「一進一退で推移している」に変更した。この影響で、コマツやフ ァナック、オムロンやSMCなど機械・設備投資関連株も安かった。

このほか個別では、投資損失の穴埋めが発覚したオリンパスは3 日連続で制限値幅いっぱいのストップ安。また、午前の取引終了後に 2012年3月期の純利益予想と年間配当予想を減額した日揮が急落。米 系格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスが9日、「B aa2」の債務格付けを引き下げ方向で見直しの対象にした野村ホー ルディングスも安い。

トヨタや年初来安値、太陽誘電は逆行高

東証1部売買代金上位では、年初来安値を更新したトヨタ自動車 をはじめ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャル グループ、三菱商事、JT、東芝、ソニー、キヤノン、日立製作所、 国際石油開発帝石、東京エレクトロンが下落。 みずほFG株は一時、 100円ちょうどまで下げた。

一方、綿貫英治社長が収益改善策として、再来期までに固定費を 100億円削減すると説明会で語った太陽誘電が午前終盤から急上昇に 転じ、東証1部の上昇率2位。自社株買いの実施と今期配当予想を引 き上げるミスミグループ本社も高い。

東証1部の売買高は概算で19億6348万株、売買代金は1兆1888 億円。 値上がり銘柄数が147、値下がり1446。値上がり銘柄数は8月 8日(108)以来の低水準だった。国内新興市場は、ジャスダック指数 が前日比0.2%安の47.67、東証マザーズ指数が同2%安の380.50と それぞれ続落した。

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