イタリアの証券取引に決済機関が追加コスト課す-国債利回り急上昇

欧州最大の証券決済機関、LCHク リアネットが顧客に対し、イタリアの債券取引での証拠金の積み増し を求めた。イタリア政府が世界で3番目に重い債務負担の軽減に苦戦 するとの懸念が強まったのが背景にある。

LCHクリアネットがウェブサイトに掲載した8日付文書による と、年限7-10年のイタリア債の取引で必要な証拠金は11.65%と、 10月7日発表の6.65%から引き上げられる。追加コストは9日の取引 終了時から全ての債券に対し償還期間に基づいた額で適用される。フ ランスの年限7-10年の債券では証拠金は4.60%とした。

LCHクリアネットによる証拠金見直しをきっかけにユーロ圏諸 国の債券利回りは指標のドイツ国債に対して上昇している。LCHク リアネットは1年前にアイルランド債の証拠金を引き上げ、その後ポ ルトガル債にも同様の措置を講じたことから両国の債券利回りは上昇。 両国は支援要請に動いた。決済機関は取引する双方の間に立って取引 を完了させることを保証しており、取引する一方がフェイル(決済不 能)した場合の損失に備えて証拠金を引き上げている。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツの債券ストラテジス ト、エリック・ワンド氏は、LCHクリアネットのイタリア債の見直 しは「一大事であり、信用の質の悪化を浮き彫りにしている」と指摘。 「市場は断層を探しており、政治家の対応が必要とされている」と語 った。

ベルルスコーニ首相

イタリアのベルルスコーニ首相は8日の議会採決で絶対過半数を 確保できなかったものの、緊縮措置が可決されるまで辞任しないと述 べたことから、同国債利回りは急上昇した。欧州連合(EU)統計局 (ユーロスタット)によると、昨年のイタリア債務の国内総生産(G DP)比は118%だった。

RBCキャピタル・マーケッツの欧州金利ストラテジスト、ノー バート・アウル氏は証拠金引き上げについて「イタリア債のポジショ ンを維持するコストが高くなる」と述べ、「これは銀行にとって特に重 要な点だ。銀行は影響を受けるし、影響の度合いを測るのは難しい」 と指摘した。

イタリアの2年債利回りはユーロ導入後で初めて7%台に上昇。 ロンドン時間午後3時5分(日本時間10日午前零時5分)時点では85 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い7.23%。10年債利回 りは55bp上昇し7.32%。

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