11月9日の米国マーケットサマリー:株が大幅安、イタリア懸念高まる

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3551 1.3834 ドル/円 77.81 77.73 ユーロ/円 105.45 107.52

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,780.94 -389.24 -3.2% S&P500種 1,229.10 -46.82 -3.7% ナスダック総合指数 2,621.65 -105.84 -3.9%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .23% -.01 米国債10年物 1.96% -.11 米国債30年物 3.02% -.11

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,791.60 -7.60 -.42% 原油先物 (ドル/バレル) 96.03 -.77 -.80%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し1カ月ぶり 安値に下落。決済機関がイタリア国債の取引をめぐる担保を引き上げ たことを受けて同国債の利回りがユーロ導入来の高水準に上昇したこ とが手掛かり。

ユーロは円に対しても2週間ぶり安値。イタリアが緊縮財政策を 実行できるだけの力強い新政権を樹立できるかについても懸念が広が っている。南アフリカ・ランドは大幅安。格付け会社ムーディーズ・ インベスターズ・サービスが南アフリカの格付け見通しを引き下げた ことが嫌気された。

BNPパリバの為替ストラテジー責任者、レイ・アトリル氏 (ニューヨーク在勤)は「きょうのユーロの動きは、イタリア債が大 量に売られたことへの直接の反応でしかない」と指摘。「イタリア国債 市場では信頼感が完全になくなっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後2時5分現在、ユーロは対ドルで前日比

2.1%安の1ユーロ=1.3544ドル。一時1.3538ドルと、10月10 日以来の安値を付けた。対円では2%下落の105円38銭。一時105 円32銭と、少なくとも10月26日以来の安値まで下げた。円は対ド ルでほぼ変わらずの1ドル=77円78銭。一時77円54銭まで円高・ ドル安が進んだ。

◎米国株式市場

米株式相場は急落。S&P500種株価指数は8月以来の大幅安を 記録した。イタリアの国債利回りが上昇する中、投資家は欧州首脳が ユーロ圏をまとめられない恐れがあるとの懸念が強まった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比3.7%安の1229.32。イタリアの10年債利回り はユーロ導入後初めて7%を突破した。

フィフス・サード・アセット・マネジメントのキース・ワー ツ最高投資責任者(CIO)は、「終わりのないホラー映画のよう だ」と述べ、「全体的な問題は、欧州の大半の国は自国政府の規模 を維持できないということだ。この先長い間はこれが頭痛の種だろ う」と続けた。

この日の下げでS&P500種は月初からの上げを失った。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。米財務省はこの日、240億ドルの10年債入札 を実施。イタリアの新内閣樹立と緊縮財政の実施は難航するとの懸念を 背景に、投資家が安全資産を求めた。これを受けて入札後も相場は堅調 に推移した。

この日の10年債入札の結果によれば、最高落札利回りは2.030%。 ブルームバーグがまとめたプライマリーディーラー9社による入札直 前の予想は2.006%だった。同入札で投資家の需要を測る指標の応札 倍率は2.64倍と、2009年12月以来の低水準となった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャス ティン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「この日の市場はイタリ ア情勢をにらみつつ動いている」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後1時17分現在、指標となる10年債利回りは前日比9ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下して1.99%。30 年債利回りは同9bp下げて3.05%となっている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。一時は7週ぶり高値に上昇した が下げに転じた。ドルが上昇したことで代替投資先としての金の需要 が後退した。

ドルは主要通貨のバスケットに対し、このまま終われば昨年8月 以来の大幅高となる。これより先、金はオンス当たり1800ドル台に 乗せる場面もあった。イタリアやギリシャでの政権交代や債務危機が 手掛かりとなった。

スタンダード・バンクのアナリスト、マーク・グラウンド氏はリ ポートで、「ドルの上昇で金への関心が弱まる状態が続くだろう」と 指摘。「押し目買いが入っていることで、ある程度は支えられている」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比0.4%安の1オンス=1791.60ドルで終了した。 引け後の時間外取引では1772.20ドルを付けた。前日には一時

1804.40ドルと、中心限月としては9月21日以来の高値を付けて いた。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は6営業日ぶりに下落。イタリア国債 利回りがユーロ導入以来の最高水準に上昇したことや、ドイツのメル ケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)がユーロ加盟国の統一 通貨からの離脱が可能になるよう望んでいるとの報道が手掛かり。

10年物イタリア国債利回りは7%を突破した。同水準でギリシ ャやアイルランド、ポルトガルは救済を要請するに至っている。メル ケル首相率いるCDUはユーロ加盟国による同通貨圏からの離脱が可 能になるよう望んでいると、独紙ハンデルスブラットが10日に掲載さ れる記事の予告で報じた。協議参加者を匿名で引用して伝えている。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)のシニアマ ネジングディレクター、チップ・ホッジ氏は、「欧州債務危機は原油 の価格と需要にとってマイナスとなる」と解説した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 日比1.06ドル(1.10%)安の1バレル=95.74ドルで終了。一 時は97.84ドルと、日中価格としては8月1日以来の高値を付ける 場面もあった。年初からは4.8%の値上がり。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 小林 恭子 Kyoko Kobayashi +1-212-617-5230 kkobayashi39@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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