ドイツ政府諮問委:12年成長率予測0.9%に下方修正-債務危機で

ドイツの政府経済諮問委員会は 欧州首脳の先月の債務危機対応での合意について、ユーロ圏の問題解 決への「時間稼ぎ」にすぎないとの見解を示すとともに、2012年の 同国成長率見通しを下方修正した。

諮問委は9日にベルリンで公表した年次報告で、欧州の救済基金 である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の機能拡充策はユー ロ危機を一時的に和らげる役割を果たすと指摘。ドイツの経済成長率 については今年3%となった後、来年は0.9%への低下を予想した。 政府は来年1%成長を見込んでいる。

諮問委は報告で、「現行のパッケージはユーロ圏が抱える問題へ の持続的な解決策ではない」とした上で、「政策当局者には時間的な 余裕が与えられた。これを断固活用し、堅固な財政のみならず安定し た金融システムに裏付けられたユーロ圏の政治的枠組みを構築すべき だ」と論じた。

10月26日の欧州首脳会議が取り上げた措置によって市場に信 頼感が短期で戻るとは限らず、「恒久的でないことは明らかだ」との 見方も示した。

メルケル首相は報告公表後にベルリンで、同国政府は「世界経済 が多重の不透明感に直面しているとの見方を共有している」と述べた。

ユーロ離脱のデメリット

諮問委はまた、ドイツがユーロ圏から離脱した場合、輸出依存型 の同国経済にもたらされるデメリットの方がプラス効果を上回ると指 摘。政府は不安定な市場に起因する「不安定さと衝撃」から輸出業者 を保護する方法を模索する必要があるが、これには代償が伴うとの考 えを明らかにした。

ギリシャのユーロ圏離脱も「解決策」にならないとし、離脱すれ ば同国の金融システム破綻は不可避でインフレ率も急上昇すると警告 した。

諮問委は、2013年にEFSFを引き継ぐ恒久的な救済枠組みで ある欧州安定化メカニズム(ESM)の代替策となり得る「償還基金」 を提案。ユーロ参加国が保有する2兆3000億ユーロ(約243兆円) 相当の金準備を裏付けとする同基金は、各国政府が公的債務を対国内 総生産(GDP)比で60%以下に縮小するのを支援すると指摘した。 各国が憲法で債務上限を縛る措置を伴うとしている。

この提案について、メルケル首相は「多くの問題」があるとして、 「現状では難しい」との見方を示した。

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