仏銀BNPやアグリコルを襲うイタリアの悪夢-連鎖反応のリスクも

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【記者:Fabio Benedetti-Valentini】

11月9日(ブルームバーグ)::フランスの2大銀行であるBNP パリバとクレディ・アグリコルは、隣国イタリアにおける過去10年間 の成長追求の負の側面を思い知らされている。今まさに現実のものと なりつつあるイタリアの政治リスクだ。

フランスの銀行のイタリアの民間および公的部門向け貸出債権は 6月末時点で4164億ドル(約32兆3500億円)相当と、海外勢で最も 大きく、イタリアの国債利回りをユーロ導入後の最高水準に押し上げ た政治的混乱の巻き添えで損害を被る恐れがある。

イタリアの経済成長率は過去10年余りにわたって欧州の平均を下 回ってきたが、財政均衡を目指す緊縮策が成長をさらに脅かそうとし ており、仏銀のリテール(小口金融)事業が打撃を受けることが予想 される。

アルファバリューの銀行アナリスト、クリストフ・ナイダム氏 (パリ在勤)は「イタリアはフランスの銀行にとって夢の投資先だっ た。その当時は主要7カ国(G7)の経済にまでソブリン債危機の影 響が及ぶとは誰も想像できなかった。しかし、政治の行き詰まりがそ の夢を悪夢に変えようとしている」との見方を示す。

国際決済銀行(BIS)の統計によれば、フランスの金融機関が 保有するイタリア債権の内訳は、政府向けが1068億ドル、民間向けが 3096億ドル相当に上り、イタリアの借り換え能力は、仏銀にとって死 活問題となる。

動物農場

ロンドンの投資会社ラスボーン・ブラザーズで資産運用に携わる ジュリアン・チリングワース氏は「イタリアは常にフランスの銀行に とって大きな存在だった。ユーロ圏のソブリン債投資は、ジョージ・ オーウェルの小説『動物農場』のようだということが分かってきた。 全ての動物は平等だが、一部は平等以上の地位にある。つまり、イタ リアのリスクはドイツやフランスほど低くはない。借り換えこそがイ タリアの差し迫った問題だ」と話す。

BISのデータによると、欧州の銀行が保有するイタリア関連の 民間および公的部門向け債権全体の約50%をフランスの金融機関が持 つ。BNPパリバは昨年末時点ではフランス国債よりもイタリア国債 の保有が多かったが、その後は減らしている。フランスの2大銀行の イタリア国債保有額の合計は約200億ユーロ相当に達する。

フランス格付けに圧力も

オフィ・ジェスチョン・プリベ(パリ)で資産運用に携わるジャ ックパスカル・ポルタ氏はフランスとイタリアの金融システムについ て、「ある種の相互作用の関係が存在する」と指摘。「イタリアの情 勢が悪化すれば、BNPパリバとクレディ・アグリコルにとって問題 になるのは明らかだ。フランスの2大銀行であることを考えると、フ ランスの格付けにも圧力がかかるだろう」と警告している。

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