日本株3日ぶり反発、伊懸念後退し金融中心買い-原油高受け資源も

東京株式相場は3営業日ぶりに反 発した。イタリア債務問題への過度な懸念が後退し、証券や保険、銀 行など金融株が上昇。原油など商品市況高を好感し、商社や鉱業など 資源関連株も買われた。相場全体の堅調さに支えられ、通期業績見通 しを未定に変更したトヨタ自動車も高い。

TOPIXの終値は前日比11.37ポイント(1.5%)高の749.40、 日経平均株価は同99円93銭(1.2%)高の8755円44銭。

大和住銀投信投資顧問・株式運用部の岩間星二ファンドマネジャ ーは、イタリアでの財政再建の取り組みが前進するとの期待から、「投 資家のリスク選好は回復しつつあり、足元では外需関連銘柄の物色が 広がっている」と指摘。また、欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏 み切るなど、足元では金融緩和の動きもあり、「商品市況の恩恵を受け る銘柄は投資家として買いやすい」と話していた。

10年国債利回りがユーロ導入以降の最高を更新、ギリシャに国際 支援の要請を余儀なくさせた7%水準に近づいたイタリアでは、財政 緊縮法案が来週議会で可決され次第、ベルルスコーニ首相が辞任する 意向を表明。下院は8日、同政権の事実上の信任投票と位置付けられ ていた2010年度会計報告を可決したが、造反する与党議員が出たこと などから、賛成票は下院定数の過半数に届かなかった。

VIX続落

次期政権によるイタリアの債務削減進展への期待が広がり、8日 の欧米株式は上昇。米国株オプション取引の指標で、投資家の不安心 理を示すシカゴ・ボラティリティ・インデックス(VIX)は前日比

7.9%低下の27.48と、10月28日以来の水準まで下がった。

投資家のリスク回避姿勢の後退を受け、きょうの日本株は朝方か ら買いが先行。東証1部33業種では証券・商品先物取引、保険、その 他金融、銀行など金融株のほか、輸送用機器など輸出関連株の一角、 商社を含む卸売、石油・石炭製品といった資源関連株、また不動産、 鉄鋼、海運など30業種が上昇した。

鉄鋼株では、新日本製鉄や住友金属工業が上昇。共同通信がきょ う午後報じたところでは、公正取引委員会は9日、両社が目指す合併 について最長90日間の2次審査を開始したという。資源関連では、三 井物産や三菱商事など商社株、JXホールディングスが高い。8日の ニューヨーク原油先物相場は前日比1.3%高の1バレル=96.80ドル と、終値で7月28日以来の高値水準を回復し、関連企業の収益上積み につながるとみられた。

中国CPIは鈍化、一時日本株は伸び悩む場面も

日本時間午前10時30分に発表された中国の10月の消費者物価指 数(CPI)は、食品価格の上昇ピッチが和らぎ、前年同月比5.5% 上昇と8月以降、3カ月連続で伸びが鈍化した。インフレ懸念の沈静 化で、中国当局が金融引き締め政策を転換する可能性が市場で意識さ れたものの、上海総合指数は一時0.6%安まで下落するなど中国株の 反応は限定的。その流れを受け、午後のTOPIXは一時0.4%高ま で伸び悩む場面があった。

みずほインベスターズ証券調査部の佐藤政俊シニアストラテジス トは、「市場の注目が集まっていたCPIの内容に中国市場が好感しな かったことから、日本国内でも一部失望感が広がった」と言う。

トヨタ堅調、オリンパス売り圧力続く

個別では、2012年3月期の連結純利益予想を650億円から740億 円に増額したいすゞ自動車が急伸。上期連結純利益が計画を上回り、 ゴールドマン・サックス証券が目標株価を上げたシチズンホールディ ングスは大幅高となった。タイ洪水による部品調達への影響で各生産 拠点の稼働停止などを理由に、12年3月期の業績予想を未定に変更し たトヨタ自動車も上昇し、TOPIXの上昇寄与度で2位。

SMBC日興証券エクイティ部の西広市部長はトヨタについて、 テクニカル指標で売られ過ぎのシグナルが出ているほか、「信用買い残 が売り残の3.3倍で、戻る期待の方が大きい。PBRも低く、既に業 績下振れを織り込んでいる可能性がある」と話していた。

一方、欧州当局が価格操作の疑いで域内のベアリング2社を立ち 入り調査したとの発表を受け、既に国内当局から調査を受けている国 内大手に懸念が波及、日本精工やNTN、不二越などが急落した。過 去の有価証券投資の損失を買収費用で穴埋めしていたことが発覚し、 きのう制限値幅いっぱいのストップ安となったオリンパスは連日のス トップ安(584円)で、上場継続を不安視した売り圧力が止まらない。 明治安田アセットマネジメントは8日、運用する公募投資信託8ファ ンドで保有していたオリンパス株を、同日に全株売却したと発表した。

東証1部の売買高は概算で18億42万株、売買代金は1兆864億 円。値上がり銘柄数が1311、値下がり263。国内新興市場は、ジャス ダック指数が前日比0.7%安の47.78、東証マザーズ指数が同0.2%安 の388.11と続落した。

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