オリンパス:損失先送り捜査当局が関心、株価は連日のストップ安

オリンパスが8日、過去の財テク での損失処理を先送りし、解職された元社長が問題視した企業買収の費 用で穴埋めしていたと発表した。捜査当局が関心を示し、上場廃止リス クを背景に野村証券が投資判断を失効させるなどしており、9日の株価 は連日のストップ安(値幅制限いっぱいの下落)で、約34年ぶりの水 準まで落ち込んでいる。

オリンパスは今春まで約10年間社長の座にあった菊川剛氏ら責任 者に対し、必要ならば刑事告発も検討するとした。すでに証券取引等監 視委員会が調査に乗り出し、東京地検も関心を示している。決算公表に 伴い金融当局に行う四半期報告書の提出が、法的な期限である14日に 間に合わなければ、東証から監理銘柄に指定される可能性がある。

8日の発表によるとオリンパスは、1990年代から損失計上先送り を続け、2008年の英ジャイラス買収でのファイナンシャルアドバイザ ー(FA)への支払い額と国内3社の買収資金を穴埋めに充てた。ブル ームバーグ・ニュースの試算では、この額は計1400億円程度。

日本経済新聞は9日付朝刊で、オリンパスが保有していた金融商品 の含み損は最大で1千数百億円に上ったと報道。NHKは企業買収のた めに使った資金のうち、1000億円程度損失の穴埋めに充てていた、 と 報じた。いずれも関係者への取材を基に伝えた。

中央大学法科大学院の大杉謙一教授は、オリンパスが有価証券報告 書の虚偽記載で「刑事罰を問われる可能性が非常に高い」と指摘。実際 に証券監視委はすでに調査に着手、東京地検の幹部も有価証券報告書虚 偽記載の疑いがあると見ており、必要があれば適宜、適切にやるべきこ とをやる、と述べた。

組織的な損失隠し

立命館大学経営学部の服部泰彦教授は、今回の件は簿外債務を用い る「飛ばし」のような「組織的な損失隠し」であり、社会的に許されな いと指摘。経営陣の総入れ替えと社外取締役増員によるチェック強化が 必要と述べ ている。

また、オリンパスの第3位株主で株式5%を保有する米サウスイー スタン・アセット・マネジメントは日本時間の8日夜、菊川氏らは取締 役からも即刻退くべきだとして、経営陣入れ替えのための臨時株主総会 招集を求めた。

一方、オリンパスが上場を維持できるかどうかも焦点に浮上しそう だ。 金融商品取引法は四半期決算報告書の金融当局への提出を今月14 日まで と規定しており、期限を守れなければ東証によって監理銘柄に 指定される 可能性がある。指定後1カ月過ぎても企業側が報告書を提 出しなければ、上場廃止もありうる。

監理銘柄の可能性

高山社長は8日の会見で、上場維持に全力を尽くす姿勢を強調し 「決算発表は14日をめどに取り組んでいる」と述べた。しかし、第三 者委の調査日程もあり、決算を同日までに発表できるかは微妙な状況。 決算を発表できたとしても、 過去の有価証券報告書などに虚偽記載が あれば、東証が上場廃止を決定する可能性もある。

こうした状況を背景に、ブルームバーグ・データで確認可能な範囲 では、証券会社など10社がオリンパスの投資評価を一時停止するか見 直し中としている。これとは別に野村証券は9日付で、レーティングと 目標株価を失効させた。

9日のオリンパス株は売り気配の後、前日比150円(20%)安の 584円と8日に続いてストップ安を記録。ブルームバーグ・データによ ると、この水準は1978年1月以来ほぼ34年ぶりの低さだ。騒動の発端 となったマイケル・ウッドフォード元社長解職の前日である10月13日 終値の4分の1弱に過ぎない。

--取材協力 東京 河元伸吾、沢和世、上野英治郎、山村敬一、 長谷川敏郎  Editors:Yoshinori Eki, Tetsuki Murotani

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Yasuhiko Hattori

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