米国債:上昇、イタリア不安で質への逃避-10年債入札実施

米国債相場は上昇。10年債利回 りの下げは過去1週間で最大となった。イタリアの新内閣樹立と緊縮 財政の実施は難航するとの懸念を背景に、投資家が安全資産を求めた ことが手掛かり。

米財務省が8日実施した240億ドルの10年債入札は、過去2 番目に低い最高落札利回りとなった。イタリア国債は大幅下落。欧州 中央銀行(ECB)が買い入れに動いているとの報道にもかかわらず、 同国5年債と10年債の利回りは1999年の通貨ユーロ導入以来初と なる7%台に上昇した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の金利ストラテジスト、シャ イアム・ラジャン氏(ニューヨーク在勤)は「欧州情勢が解決される までは欧州が注目の的となる」とし、「これまでのニュース材料から 判断すれば、米国債に買いが集まる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後3時35分現在、指標となる10年債利回りは前日比12ベー シスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下して1.96%。 一時1.927%と、10月6日以来の低利回りを付けた。同年債価格 (表面利率2.125%)は1 1/32高の101 15/32。30年債利回 りは12bp下げて3.02%となっている。

応札状況

この日の10年債入札の結果によれば、最高落札利回りは

2.030%。ブルームバーグがまとめたプライマリーディーラー9社に よる入札直前の予想は2.006%だった。投資家の需要を測る指標の 応札倍率は2.64倍と、2009年12月以来の低水準となった。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャス ティン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は応札倍率が平均を下回っ たことについて、国債の需要が後退したからではなく、入札以前の強 い需要によって通常より長い期間にわたり利回りが低く抑えられてい たことを反映していると指摘した。

同氏は「市場のボラティリティにより、供給を消化するのが若干 困難になっている」と指摘。「当面は欧州が市場を左右する材料とな るだろう」と述べた。

この日の10年債入札では、外国の中央銀行を含む間接入札の落 札全体に占める比率は41.6%と、10月の入札の35%を大幅に上回 った。過去10回の平均は47.9%となっている。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接 入札の落札比率は8.2%となった。過去10回の平均は10.1%。 10月の入札では6.4%だった。

イタリア国債

米財務省は前日、320億ドルの3年債入札を実施した。10日に は160億ドルの30年債入札を控えている。

イタリア国債利回りはユーロ導入以来の最高を更新。決済機関L CHクリアネットは同国の7-10年債を取引する顧客に求める預金 の比率を引き上げると発表し、これが影響した。同社フランス部門が 8日にウェブサイトで発表したところでは、預金比率は10月7日に 発表された6.65%から新たに11.65%に引き上げられる。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、ピータ ー・チャットウェル氏(ロンドン在勤)は「LCHがイタリア債 のマージンを引き上げたことで、安全資産の需要が高まった」とし、 「米国債はその流れに乗った。ユーロ圏の債務危機が深刻化する中、 米国債は依然として安全な逃避先としての魅力を持ち合わせている」 と説明した。

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