11月8日の米国マーケットサマリー:ユーロ上昇、伊首相の辞意表明で

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。 (表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3839 1.3776 ドル/円 77.70 78.05 ユーロ/円 107.52 107.53

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,170.26 +101.87 +.8% S&P500種 1,275.93 +14.81 +1.2% ナスダック総合指数 2,727.49 +32.24 +1.2%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .24% +.00 米国債10年物 2.08% +.04 米国債30年物 3.14% +.04

商品 (中心限月)    終値  前営業日比  変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,799.20 +8.10 +.45% 原油先物 (ドル/バレル) 96.98 +1.46 +1.53%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇した。イタ リアのナポリターノ大統領は、ベルルスコーニ首相が財政緊縮法案の 可決後に辞任することで同意したと発表。これに反応した。

ベルルスコーニ首相はこの日行われた予算関連の議会採決で承認 を勝ち取ったものの、絶対過半数には至らなかった。これに対してユ ーロはほとんど反応しなかった。円は対ドルで、日本が円売り介入を 実施した10月31日以来の高値に上昇した。

シティグループのシニア為替ストラテジスト、グレッグ・アンダ ーソン氏は「為替市場の観点から言えば、投資家は実務型の政府が誕 生することを望んでいる。それにより、トロイカが満足し、イタリア が向こう数カ月間やっていける可能性が最も高くなるからだ」と述べ た。トロイカとは欧州委員会、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀 行(ECB)の3者。

ニューヨーク時間午後2時32分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.4%高の1ユーロ=1.3835ドル。一時1.3725ドルまで下げる 場面もあった。対円ではほぼ変わらずの1ユーロ=107円47銭。 円は対ドルで0.5%上昇し、1ドル=77円68銭。一時77円60 銭まで円高・ドル安が進んだ。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。イタリアのベルルスコーニ首相が辞任を申 し出たことから、債務危機収束に向けての新首相への期待が高まっ た。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比1.2%高の1275.91。

ハリス・ブライベート・バンク(シカゴ)のジャック・アブ リン最高投資責任者(CIO)は、「イタリアがこの治療法を選ば ざるを得ないことを投資家は受け入れている」と述べ、「今回は深 刻な危機だという認識が高まりつつある。ベルルスコーニ首相はこ れまでの非難を受け入れ、国家の関心を将来に集中させていくこと になるだろう」と続けた。

ナポリターノ伊大統領は、ベルルスコーニ首相が来週の議会 で財政緊縮法案が可決され次第、辞任することに同意したと述べた。 大統領はローマでベルルスコーニ首相と会談後に電子メールを発表 した。

◎米国債市場

米国債相場は上昇幅を失った。イタリアのナポリターノ大統領が、 ベルルスコーニ首相は財政緊縮策の可決後に辞任することで同意した と発表。これを受けてリスク資産の需要が急激に高まった。

伊首相が辞任に同意したとの発表前には米国債が上昇していた。 欧州中央銀行(ECB)政策委員会のメンバーであるバイトマン独連 銀総裁がECBは紙幣の増刷によって各国政府を救済することはでき ないとの見解を示し、イタリアのソブリン債問題が他国に波及すると の懸念が強まったことが背景。米3年債入札は少なくとも1993年 以降で最高の応札倍率に達した。

シティグループの金利ストラテジスト、アミタブ・アロラ氏(ニ ューヨーク在勤)は、「政府や首相の交代は、必要とされる厳しい措 置を実施しやすくするとの見方がある」と指摘。「ベルルスコーニ首 相は問題の一部と見なされている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後2時18分現在、10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの

2.04%。一時1.997%まで下げる場面も見られた。同年債(表面 利率2.125%、2021年8月償還)価格は1/32下げて 101 24/32となっている。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は上昇。一時ほぼ7週間ぶりにオンス当 たり1800ドル台を回復した。欧州の首脳には域内債務危機を抑制 する能力がないとの懸念が強まったことで、逃避先としての金の買い が膨らんだ。

イタリアのベルルスコーニ首相はこの日、2010年度会計報告に 関する下院での形式的な採決で、絶対過半数を確保できなかった。こ れにより、首相に退陣を迫る圧力が高まるのは必至となった。米連邦 準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は失業率の低下に向け一 段の金融緩和が必要になる可能性があると示唆している一方、欧州中 央銀行(ECB)は先週、利下げを実施した。金は9月末以降11% 余り値上がりしている。

ストリートトーク・アドバイザーズのランス・ロバーツ最高経営 責任者(CEO)は電話インタビューで、「欧州の混乱で、不安感に 基づく取引から金に資金が戻ってきた」と指摘。「中央銀行による新 たな一連の政策緩和も金の支えになっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比0.5%高の1オンス=1799.20ドルで終了した。 一時は1804.40ドルと、9月21日以来の高値を付けた。引け後の 時間外取引では1785.70ドルに値下がり。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は上昇。3カ月ぶりの高値となった。 イタリアのベルルスコーニ首相が財政緊縮法案の可決後に辞任するこ とで同意したことが手掛かり。

新首相は債務危機を克服できるとの楽観が広がった。中東の安定 を脅かすイランの核計画に関する国連のリポート内容が明らかになっ たことも原油の買いにつながった。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチの マイケル・リンチ社長は、「ベルルスコーニ首相の辞任は前向きな展 開として受け止められた」と指摘。「これは財政危機の解決が近づい たことを意味する可能性がある。これが市場に長期的な影響を及ぼす かどうかは分からないが、この日に関しては確実に影響している」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 営業日比1.28ドル(1.34%)高の1バレル=96.80ドルで終了。 終値では7月28日以来の高値となった。年初からは5.9%の値上 がり。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 小林 恭子 Kyoko Kobayashi +1-212-617-5230 kkobayashi39@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE