米国債:下げに転じる、伊首相の辞任同意で逃避需要が後退

米国債相場は下げに転じる展開。 イタリアのナポリターノ大統領が、ベルルスコーニ首相は財政緊縮策 の可決後に辞任することで同意したと発表。これを受けて安全な逃避 先としての需要が後退した。

イタリア首相の辞意表明が伝わる前、米国債は上昇していた。 イタリアのソブリン債問題が他国に波及するとの懸念が背景。米3年 債入札では応札倍率が少なくとも1993年以降で最高となった。9日 には10年債(規模240億ドル)の入札が実施される。

シティグループの金利ストラテジスト、アミタブ・アロラ氏(ニ ューヨーク在勤)は、「政府や首相の交代は、必要とされる厳しい措 置を実施しやすくするとの見方がある」と指摘。「ベルルスコーニ首 相は問題の一部と見なされている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後3時20分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の2.07%。一時1.997%ま で低下する場面も見られた。同年債(表面利率2.125%、2021年 8月償還)価格は9/32下げて101 16/32となっている。

中長期債入札

米財務省は今週、合計720億ドル規模の中長期国債を入札する。 10日に実施する160億ドルの30年債入札が今週最後の入札。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、カール・ラ ンツ氏は「イタリアをめぐる懸念から安全資産が求められ、3年債 がその条件に見合っていた」と説明。「ディーラーにとって10年債 や30年債の入札はここのところ困難を極めていた。今週の入札を控 え市場の動きは興味深いものとなるだろう」と続けた。

この日の3年債入札の結果によると、最高落札利回りは

0.379%だった。ブルームバーグがまとめたプライマリーディーラー 8社による入札直前の予想は0.393%だった。投資家の需要を測る 指標の応札倍率は3.41倍と、過去10回の入札の平均(3.21倍) を上回った。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める比率は

38.7%だった。過去10回の平均は35.9%。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接 入札の落札比率は19.9%となった。過去10回の平均は11.8%。

介入資金が流入か

バンク・オブ・アメリカ(BOA)は日本政府・日銀が10月 31日に実施した最大8兆円規模の円売り介入で得たドルを使って、 今週の米国債入札で応札する可能性があるとの見解を示した。

BOAのストラテジスト、シャイアム・ラジャン氏は4日付の顧 客向けリポートで、8月10日の10年債入札では海外勢の応札が 「著しく増加した」と指摘した。8月4日に日本政府・日銀は590 億ドル規模の円売り介入を実施していた。

イタリア下院は8日の採決で2010年度会計報告を承認したが、 与党から造反議員が出るなどして賛成票は絶対過半数に満たなかった。 630議席の下院でベルルスコーニ首相が確保した賛成票は308にと どまった。ベルルスコーニ首相は辞任する意向を表明した。

この日のイタリア10年債利回りは前日比11bp上昇の

6.77%と、ユーロを導入した1999年以後の最高に達した。ギリシ ャやアイルランド、ポルトガルが国際支援を要請した際の国債利回り は7%だった。ドイツ10年債に対するイタリア債の利回り上乗せ幅 (スプレッド)はこれまでの最大となる497bpとなっている。

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