NY外為:ユーロ上昇、伊首相の辞意表明で債務問題解決を期待

ニューヨーク外国為替市場では ユーロが対ドルで上昇した。イタリアのナポリターノ大統領は、ベル ルスコーニ首相が財政緊縮法案の可決後に辞任することで同意したと 発表。これに反応した。

ベルルスコーニ首相はこの日行われた予算関連の議会採決で承認 を勝ち取ったものの、絶対過半数には至らなかった。これに対してユ ーロはほとんど反応しなかった。円は対ドルで、日本が円売り介入を 実施した10月31日以来の高値に上昇した。南アフリカ・ランドは 値上がり。金先物相場が一時ほぼ7週間ぶりにオンス当たり1800ド ル台を回復したことが手掛かり。

シティグループのシニア為替ストラテジスト、グレッグ・アンダ ーソン氏は「市場では、イタリアで実務型の政府が誕生する可能性が あることはすでに分かっている。その政府はベルルスコーニ政権より も良いものだ」とした上で、「まだこれから多くの痛みが続く。1カ 月以内にユーロは1.30ドルを割り込むと予想されるため、1.30ド ル台の後半で売るのが良いだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時53分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.4%高の1ユーロ=1.3836ドル。一時1.3725ドルまで下げる 場面もあった。対円ではほぼ変わらずの1ユーロ=107円53銭。円 は対ドルで0.5%上昇し、1ドル=77円70銭。一時77円60銭 まで円高・ドル安が進んだ。円の戦後最高値は10月31日に付けた 75円35銭。

スイス・フランは対ユーロで上昇。スイス国立銀行(中央銀行) のヨルダン副総裁は、輸出面で有利な立場に立つためにフランを押し 下げているのではないと語った。

イタリア財政緊縮法案

ナポリターノ伊大統領は、ベルルスコーニ首相との会談後に電子 メールで、首相から財政緊縮法案が来週議会で可決され次第辞任する との申し出を受けたことを明らかにした。

ベルルスコーニ首相の連立政権は、域内の債務危機が同国に波及 して以降、不安定な状態が続き、国債利回りは7月に急上昇した。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「イタリアでは現在の政策当局に 対する市場の信頼が失われている」と指摘。「現時点で最善の方法は、 有権者の圧力にあまり影響されない実務型の政府だとの見方がある」 と続けた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関通貨加重指 数によれば、ユーロは過去1カ月で9通貨に対し0.8%上昇。一方で ドルは3.3%安、円は6.2%下げた。

日本の米国債保有

日本は10月31日の円売り・ドル買い介入を受け、米国債の保 有高を過去最大に増やす可能性がある。米財務省がこの日実施した3 年債入札(発行額320億ドル)の結果によると、投資家の需要を測 る指標の応札倍率は3.41倍、1993年以来の高水準だった。

日本の米国債保有高は、2010年9月以降で3回実施された円売 り介入の後で急増。米財務省のデータによれば、8月4日に過去最大 となる4兆5100億円の為替介入を実施した後、同月の日本の米国債 保有高は2.4%増え9366億ドルとなった。

フランは対ユーロで0.2%高の1ユーロ=1.2382フラン。対 ドルでは0.6%上げて1ドル=0.8952フラン。

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