今日の国内市況:株式続落、債券先物続伸、ユーロ下落-イタリア懸念

東京株式相場は続落。急速に債務 不安が高まっているイタリア情勢が警戒され、電機など輸出関連、海 運や鉄鋼といった景気敏感業種、証券など金融株中心に幅広く売られ た。過去の損失計上先送りの事実が発覚したオリンパスはストップ安。 特に午後は同水準で売り気配を続け、株価指数先物にヘッジ売りとみ られる動きも出たため、全般の下げに拍車が掛かった。

TOPIXの終値は前日比12.42ポイント(1.7%) 安の738.03、 日経平均株価は同111円58銭(1.3%)安の8655円51銭。TOPI Xは10月6日以来、約1カ月ぶりの安値に沈んだ。

国際通貨基金(IMF)に緊縮財政実施の監視を要請するなど、 債務懸念が急速に高まるイタリアでは、予算関連の採決を8日に控え、 ベルルスコーニ政権が崩壊しつつあるとの見方から、7日の同国10 年国債利回りは6.5%を上回り、ユーロ導入以降の最高を記録した。

欧州情勢の不透明感を背景に、日本株は朝方から景気敏感業種を 中心に売りが先行。午後に入ると、先物主導でじりじりと下げ幅を広 げた。為替市場で対ユーロを中心に円高方向の動きとなったことが懸 念されたほか、オリンパス株急落の影響を指摘する声もあった。

オリンパスは午前の取引で一時制限値幅いっぱいストップ安(300 円)の734円となり、 1995年7月以来の安値水準まで急落。午後に 入ると再び売り注文が膨らみ、1時1分以降はストップ安売り気配が 続いた。同社は8日朝、英ジャイラス買収でファイナンシャルアドバ イザー(FA)に支払った資金や、国内3社の買収資金を、過去の有 価証券投資などの含み損の解消に利用していたことが判明したと発表。 また、証券取引等監視委員会は、過去の不透明な買収が問題となって いるオリンパスの調査にすでに乗り出している、と複数の当局者が匿 名を条件に明らかにした。粉飾決算や株式上場廃止の可能性を懸念す る売り圧力が強まった。

個別では、業績下方修正に対する反応が敏感で、半導体機器事業 の低調で、12年3月期の連結純利益予想を従来の210億円から前期比 61%減の100億円に減額した大日本スクリーン製造が下落。昨日午後 に今期純利益予想を減額し、野村証券が目標株価を引き下げた住生活 グループは急落、東証33業種下落率2位の金属製品の下げを主導した。

このほか業種別指数では、証券・商品先物取引が52週安値を更新 し、圧倒的な下落率1位。金属製品や海運、精密機器、鉄鋼、不動産、 非鉄金属、卸売、銀行、保険、電気・ガス、建設、機械、電気機器、 輸送用機器など30業種が下落。一方、パルプ・紙、食品、陸運の3業 種が高い。

東証1部の売買高は概算で18億4598万株、売買代金は1兆124 億円。値上がり銘柄数が182、値下がりは1429。国内新興市場は、ジ ャスダック指数が前日比0.6%安の48.13、東証マザーズ指数が同

2.9%安の388.76とともに反落。

長期金利は1カ月ぶり低水準

債券先物相場は5営業日続伸。朝方は超長期債が軟調に推移して いたが、イタリアの財政問題に対する懸念などで国内株価の下げ幅が 拡大したことや流動性供給入札で需要の強さが示されたことから午後 に買いが優勢になった。長期金利は約1カ月ぶりの低水準を付けた。

東京先物市場で中心限月12月物は、取引開始後に前日比2銭安ま で下げたが、その後は徐々に水準を切り上げる展開。午後に入って日 経平均株価が下げ幅を拡大すると買いが増えて、一時は1カ月ぶりの 高値となる142円85銭まで上昇。結局10銭高の142円81銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前日比横ばいの0.985%で始まり、いったんは0.5ベーシスポ イント(bp)高い0.99%に上昇。しかし、その後は徐々に水準を切り 下げ、午後1時半過ぎからは1bp低い0.975%と10月6日以来の低い 水準で推移している。

超長期債は朝方に売られたが、午後にやや買い戻されている。20 年物の130回債利回りは一時1bp高い1.745%に上昇したが、その後 は横ばいの1.735%。30年物の35回債利回りは1週間ぶり高水準の

1.96%まで上昇したが、午後に入ると0.5bp低い1.945%に下げる場 面があった。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結 果では、募入最大利回り較差がマイナス0.002%、募入平均利回り較 差がマイナス0.006%となった。需要の強さを示す応札倍率は3.67倍 と、2月18日入札以来の高水準となった。

ドル・円は78円前半で小動き

東京外国為替市場では、ユーロが対ドル、対円でじり安となった。 イタリアの政情混迷を背景に、ユーロ圏で3番目の経済大国である同 国の債務管理への懸念が高まった。

午後5時1分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3730ドル前 後。一時は1.3727ドルまでユーロが売られる場面が見られた。前日の ニューヨーク時間午後遅くの水準は1.3776ドル。

ユーロ・円相場も1ユーロ=107円半ばから弱含み、一時、107 円14銭を付けた。

ドル・円相場は小動き。欧州債務問題への懸念を背景に円高圧力 がくすぶる一方、円売り介入への警戒感も根強く、日中の値幅は1ド ル=78円ちょうどから78円10銭とわずか10銭にとどまった。

イタリアの下院はこの日、2010年度会計報告に関する採決を行う。 ベルルスコーニ首相は、政権維持に必要な十分な支持を引き続き得て おり、債務削減と急上昇している国債利回り低下につながる財政緊縮 策を実行できることを示さなければならないが、これまでに与党議員 3人が野党にくら替えし、他の与党議員6人が首相の辞任を要求。今 回の採決で過半数の315票を確保できない場合、首相は信任投票に直 面する公算が大きい。

7日の欧州債市場ではイタリアの10年物国債利回りが一時

6.68%まで上昇し、ギリシャやアイルランド、ポルトガルが支援要請 に追い込まれた7%の水準に接近した。その後、ベルルスコーニ首相 手法が辞任する見通しとの報道を受けて、6.63%に低下。首相はこの 報道をリベロ紙とのインタビューで「事実無根」だと否定、財政緊縮 策の議会通過を確実にするため、自らの意志で信任投票を来週実施す る考えを表明した。

イタリアのANSA通信が伝えたところによると、ベルルスコー ニ首相は7日夜の与党・自由国民の議員との会合後に、8日の議会採 決の結果を待って辞任するか続投するかを決断する方針を固めた。

また、この日は前日のユーロ圏財務相会合に続き、欧州連合(E U)財務相会合が開かれる。欧州の財務相らは7日、救済基金の拡充 を来月実施すると表明した。オランダのデヤーヘル財務相は8日の会 合で、先月の首脳会議で合意された銀行の資本増強案の実施が決定さ れるとの見通しを示した。

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