シュタルク氏:ECBの緊急策継続によって債務危機解決できない

欧州中央銀行(ECB)のシュ タルク理事は8日、ECBがユーロ圏高債務国の国債の購入と銀行 システムへの潤沢な流動性供給を継続することによって域内ソブ リン債危機を解決することはできないとの見解を示した。

シュタルク理事はスイスのルツェルンでの講演で、「ECBの 緊急措置を恒久化することによって危機を解決することはできな い」と言明。「銀行間の信頼が回復することが必要だが、これは銀 行システムの再編と資本強化をよってのみ可能だ」と語った。各国 政府が「財政再建のための思い切った措置」を取ることも必要だと 付け加えた。イベントの主催者が講演のテキストを提供した。

欧州各国政府が混乱収拾に向けた取り組みで失敗を繰り返す 中、ECBは銀行への無制限の流動性供給とソブリン債購入によっ て危機拡大阻止の最前線を担っている。9月に辞意を表明し年末に 退任するシ ュタルク理事は、ECBの緊急措置が長期間続けば、 各国政府の改革への意思を弱めユーロ圏17カ国の財政健全化への 取り組みを損ないかねないと警告してきた。

同理事は、危機を「ユーロ圏の長期的な経済安定を確実にする ための原則を捨てる口実にすることはできない」とし、「これは政 府と中銀の両方に当てはまる。越えてはならない一線を越えれば、 現在の危機解決策が将来の危機の火種になるだろう」と論じた。

危機時の政策手段をあまりに長く維持すれば「中長期的に、政 府が必要な財政再建と再編措置を実施するインセンティブを弱め る」と指摘した。

シュタルク理事は、今回の危機はユーロの存在を脅かしていな いとも述べた。

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