債券先物は5日続伸、株安で午後一段高-長期金利は1カ月ぶり低水準

債券先物相場は5営業日続伸。朝 方は超長期債が軟調に推移していたが、イタリアの財政問題に対する 懸念などで国内株価の下げ幅が拡大したことや流動性供給入札で需要 の強さが示されたことから午後に買いが優勢になった。長期金利は約 1カ月ぶりの低水準を付けた。

新生銀行ALM部の勝智彦次長は、「流動性供給入札の結果はしっ かりとなり、需給が良いことから、ショートカバー(売り建ての買い 戻し)が入り、値を上げた。イタリアの財政問題も債務残高を減らす 方向が明らかになり、先行き不透明感が出やすく、債券は売りにくい。 円資金が短期金融市場に流入していることも支え」と述べた。

東京先物市場で中心限月12月物は、取引開始後に前日比2銭安ま で下げたが、その後は徐々に水準を切り上げる展開。午後に入って日 経平均株価が下げ幅を拡大すると買いが増えて、一時は1カ月ぶりの 高値となる142円85銭まで上昇。結局10銭高の142円81銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは、前日比横ばいの0.985%で始まり、いったんは0.5ベーシスポ イント(bp)高い0.99%に上昇。しかし、その後は徐々に水準を切り 下げ、午後1時半過ぎからは1bp低い0.975%と10月6日以来の低い 水準で推移している。

流動性供給入札、応札倍率上昇

超長期債は朝方に売られたが、午後にやや買い戻されている。20 年物の130回債利回りは一時1bp高い1.745%に上昇したが、その後 は横ばいの1.735%。30年物の35回債利回りは1週間ぶり高水準の

1.96%まで上昇したが、午後に入ると0.5bp低い1.945%に下げる場 面があった。新生銀の勝氏は「朝方は40年債入札を控えて超長期債な どに売りが出て重い展開だった」と話した。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結 果では、募入最大利回り較差がマイナス0.002%、募入平均利回り較 差がマイナス0.006%となった。需要の強さを示す応札倍率は3.67倍 と、2月18日入札以来の高水準となった。

こうした中、UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、 「イタリアの財政問題が焦点となっており、欧州の問題がすぐに解決 して金利が上昇する感じでもない」と述べた。また、新生銀の勝氏は、 「欧州債を売って円債に戻さざるを得ない投資家もいるのではないか」 と指摘した。

イタリアの下院はこの日、2010年度会計報告に関する採決を行う。 ベルルスコーニ首相は、政権維持に必要な十分な支持を引き続き得て おり、債務削減と急上昇している国債利回り低下につながる財政緊縮 策を実行できることを示さなければならない。今回の採決で過半数の 315票を確保できない場合、首相は信任投票に直面する公算が大きい。

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