イオン:円高が好機、店舗網の海外展開加速-ベトナムなどに出店

日本最大のスーパーマーケットチェ ーンを展開するイオンは、円高を利用して海外展開の加速を目指す。 国内市場が成熟する中で、イオンはアジアシフトを進めており、新た にベトナム、カンボジアへも進出する。イオンの千葉清一財務最高責 任者(CFO)がブルームバーグ・ニュースとのインタビューで明ら かにした。

千葉氏は、円高の追い風を受けて、「ASEAN諸国への出店など 海外投資のタイミングを若干早めている」と述べた。ベトナムやカン ボジアでの出店準備のための資金手当てに前倒しで対応している。イ オンは10月、ベトナム1号店の投資ライセンスを取得した。ただ、具 体的な投資額や出店時期などについては言及を避けた。

イオンは2010年度に発表した中期計画で、アジアの中間所得層の 数が20年には10年比で1.8倍増の20億人となり小売市場規模は200 兆円増加するとみて、グループ全事業が一体となってアジアでの事業 展開を加速する方針を打ち出している。こうした事業戦略を円高とい うマクロ環境が後押しする。

SMBC日興証券の川原潤アナリストは、千葉氏のコメントにつ いて「資金手当てが出来ていることは悪くない」と話し、今後は出店 を精査し良い物件をとっていくことが重要と述べた。

イオンは8月末時点で、総合スーパーと食品スーパーあわせて86 店舗を中国、マレーシア、タイに出店している。中期計画では11年度 から13年度にかけて約2000億円を中国やASEAN地域への投資に あてる考えを表明している。

加速する小売業のアジア進出

アジアに生まれる巨大市場をチャンスととらえ、小売各社はアジ アでの出店を急いでいる。衣料品アジア最大手ファーストリテイリン グは、アジアで年間200店以上出店できる体制をできるだけ早く整え る方針だ。柳井正会長兼社長は9月の事業説明会で「アジアに金鉱が ありゴールドラッシュが起こっている」と話し、人材育成を急ぎ機会 損失を防ぐ考えだ。

イオンも今後3年間に日本だけでなく中国、マレーシア、タイ、 インドネシア、ベトナムなどで3年間に1万人以上採用する方針で中 期計画実現のための人材育成を強化する。

投下資本収益率を重視

メリルリンチ日本証券の青木英彦アナリストはリポートで、日本 の消費財小売業界について、「欧米やアジアの同業他社と比較して収益 性が極めて低い」と指摘。「収益性の向上と国際的に通用しうる競争力 を確立しうるか否かは日本の小売株に本腰をいれて投資するか否かの 分水嶺(れい)となる」と分析し日本の小売業に収益性を上げること を促している。

みずほコーポレート銀行出身の千葉氏は「中期計画の具体的な財 務指標目標に投下資本収益率(ROIC)を挙げたことで売り上げ至 上主義でなく効率性にフォーカスした経営への意識改革が進んでいる」 と話す。今期からの中期経営計画で掲げる株主資本利益率(ROE) 目標7%について千葉氏は、「公約値は絶対達成しないといけない最低 のコミットメントで社内では当然2ケタを目指している」と述べた。

Editor : Tetsuki Murotani Takeshi Awaji

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