象印:海外強化、今後5年で販売比率25%に-中国で炊飯器など注力

日本が人口減少時代を迎える中、 国内最大規模の炊飯器メーカーでステンレスボトルなども製造する象 印マホービンは、海外事業の強化を図る。主に中国で炊飯器事業など に注力し、遅くとも5年後までに連結売上高に占める海外販売の比率 を25%程度まで高める方針だ。

象印の市川典男社長は4日、大阪本社でインタビューに応じ、今 期(2011年11月期)の海外売上高比率が20%弱になりそうだとした 上で、「今後3年から5年ぐらいの間に25%ぐらいに持っていきたい」 との考えを明らかにした。

特に注力するのは人口約13億人と世界最大の中国。世界的な日本 食ブームを背景に中国では特に富裕層に炊飯器の高級機種の販売が好 調で、市川社長は、ここ数年、「倍々ぐらいで増えている」といい、最 近の2年間で代理店を数店から約50店にまで増やしたという。今後は 上海だけにしかない営業拠点を他都市にも拡大するなど、現地の販売 を強化する。

象印の決算短信によると、前期(10年11月期)の海外売上高は 約101億円で連結売上高の約17%を占めた。そのうち台湾、中国、韓 国のアジアが58億円と6割弱だった。北米でも日本や韓国などアジア 系中心の高級炊飯器の需要が白人層にも浸透しており、販売増加が見 込めるという。

市川社長は低コスト商品を供給するアジアメーカーについて「炊 飯器は日本の食文化と密接に結びついている。いくら色や形をコピー されたとしてもコメの味は絶対、日本人以外にはまねができない」と 強調し、対象市場で直接の競合相手にはならないとの考えを示した。

水筒男子

日本では環境意識や節約志向が高まり、特に若い世代のサラリー マン層にはここ数年、「水筒男子」と呼ばれ、水筒を職場へ持参する動 きが広がっていることもあり、ステンレスマグが人気。利幅が大きい 炊飯器の高級機種の好調もあり、今期の純利益は前期比61%増の18 億5000万円、売上高は同1.3%増の605億円となる見通し。

一方、市川社長は、夏以降に国内の個人消費に急激に陰りが見え 始めており、来期の売上高は微増にとどまり、利益は今期より若干減 る可能性もあるという。

1980年代を中心にテレビ番組「象印クイズヒントでピント」のス ポンサーを務めた象印は、国内の広告宣伝に力を入れて業績を伸ばし てきた。日本が人口減少時代を迎えていることについて、市川社長は 「よくなるという感覚はない」と指摘。その上で、海外事業の強化や ステンレスマグなど不況でも伸びる商品の発掘など「生き残る道をど う探っていくかということが大事だ」と話した。

象印の株価は、7日終値で前週末比0.8%高の250円。年初来で は15%の上昇。この期間にトピックス指数は17%下げている。

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