11月7日の米国マーケットサマリー:イタリア警戒でユーロが下落

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3777 1.3792 ドル/円 78.04 78.24 ユーロ/円 107.52 107.88

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 12,068.39 +85.15 +.7% S&P500種 1,261.12 +7.89 +.6% ナスダック総合指数 2,695.25 +9.10 +.3%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .23% +.01 米国債10年物 2.01% -.02 米国債30年物 3.06% -.03

商品 (中心限月) 終値   前営業日比  変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,791.10 +35.00 +1.99% 原油先物 (ドル/バレル) 96.00 +1.74 +1.85%

◎NY外為市場

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが円とドルに対して下落。 イタリアのベルルスコーニ首相への辞任圧力が強まる中で予算報告に 関する投票を8日に控えており、同国の債務抑制が難航するとの懸念 がユーロ売りにつながった。

欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事が域内の債務危機は遅 くとも2年以内に収束するとの見方を示すと、ユーロは対ドルで下げ 渋った。イタリア国債は下落し、10年債利回りはユーロ導入後の最 高を記録した。スイス・フランは下落。スイス国立銀行(中央銀行) のヒルデブランド総裁はフランが一段と下落するとの見通しを示した。

為替ネットワークのトラベレックス・グローバル・ビジネス・ペ イメンツの市場アナリスト、ラビ・バードワシュ氏は「為替相場は分 刻みでユーロ圏の動向に左右されている」と指摘。「この日はイタリ アの利回りが主な材料となり、市場はベルルスコーニ首相の進退を見 極めようとしている」と語った。

ニューヨーク時間午後2時31分現在、ユーロは円に対して前営 業日比0.4%安の1ユーロ=107円43銭。ドルに対しては0.2%安 の1ユーロ=1.3760ドル。この日の安値は1.3681ドル、高値は

1.3838ドル。ドルは対円で0.2%下げて1ドル=78円08銭とな っている。

◎米国株市場

米株式相場は上昇。取引中盤は売り優勢だったが、欧州中央銀行 (ECB)のシュタルク理事がユーロ圏の債務危機が2年以内に沈静 化するとの見通しを示したことが好感され、終盤に上昇に転じた。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前営業日比0.6%高の1261.12。一時は1%安まで下げる 場面もあった。

ジャネイ・モントゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジ スト、マーク・ルッシニ氏は、シュタルク理事の発言は「周辺国の財 政問題を解決する方策が見つかる可能性を示唆している」と述べ、 「欧州発の材料を思えば、この発言だけで十分だった」と続けた。

この日の欧州債市場ではイタリア10年債の借り入れコストが ユーロ導入後で最高となった。ユーロ圏経済が停滞する中で、域内3 番目の経済大国であるイタリアが巨額債務の抑制に苦しむとの懸念が 高まったことが背景にある。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。10年債利回りは1カ月ぶり低水準に接近し た。イタリアの債務削減が難航するとの懸念を背景に、比較的安全と される米国債の需要が高まった。

イタリア10年債利回りは一時6.68%と、14年ぶりの水準に上 昇。イタリアでは455億ユーロ規模の緊縮策への反発が強く、ベル ルスコーニ首相を追い詰めつつある。ギリシャは国際支援を確保する ため挙国一致内閣の樹立で合意。8日の米3年債入札(発行規模 320億ドル)を控え、同年債利回りはほぼ変わらずとなっている。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレク ター、ラリー・ミルスタイン氏は「イタリアは誰も触れたくない大問 題だ」と指摘。「これに比べればギリシャは余興に過ぎない。イタリ アは格段に大きな問題となる恐れがある。このため頭上にたれこめて いる不安感が依然として国債を押し上げている」と述べた

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後2時1分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)下げて1.99%。同年債(表面利率

2.125%、2021年8月償還)価格は13/32上げて101 7/32。3 年債利回りはほぼ変わらずの0.36%となっている。

◎NY金市場

ニューヨーク金先物相場は反発。6週間ぶりの高値を付けた。欧 州ソブリン債危機の深刻化で金への逃避買いが膨らんだ。

イタリアのベルルスコーニ首相は自身が率いる連立政権内から辞 任を求める声が高まっている。欧州の債務危機波及により同国の借り 入れコストがユーロ導入後の最高水準を付けたことが背景にある。金 は9月6日にオンス当たり1923.70ドルと、過去最高値を更新。株 式や一部通貨の代替資産として金の需要が拡大した。

ランデスバンク・バーデン・ヴュルテンブルクのトールステン・ プルッテル氏は電話インタビューで、「欧州の問題はすぐに消えるも のではなく、混乱が広がっている」と指摘。「金が引き続き上昇する 基盤ができている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前営業日比2%高の1オンス=1791.10ドルで終了した。 引け後の時間外取引では1796ドルに達し、中心限月としては9月 21日以来の高値を付けた。

◎NY原油市場

ニューヨーク原油先物相場は上昇。3カ月ぶりの高値となった。 欧州ソブリン債危機の中心となっているイタリアとギリシャで新政権 が誕生するとの見通しが手掛かりとなった。

イタリアのベルルスコーニ首相には辞任を求める圧力が強まって いる。同国の10年債利回りは、ギリシャとアイルランド、ポルトガ ルが救済の申請を強いられた水準である7%に接近した。ギリシャの パパンドレウ首相は連立政権が国際支援を確保できるよう、辞任する ことに同意した。

ドイツ銀行のエネルギー担当チーフエコノミスト、アダム・シミ ンスキー氏(ワシントン在勤)は「政治的な要因が注目され、需要と 供給は材料として二の次になっている」と指摘。「欧州の現行システ ムではイタリアやギリシャ、ポルトガル、スペインの財政難は手に余 るようだ。政権交代が必要になるとの見方がある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物12月限は前 営業日比1.26ドル(1.34%)高の1バレル=95.52ドルで終了。 終値では7月29日以来の高値となった。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE