米国債:利回り1カ月ぶり低水準、イタリア債務不安で質への逃避

米国債市場では10年債利回 りが1カ月ぶり低水準付近で推移した。イタリアの債務削減が難航す るとの懸念を背景に、比較的安全とされる米国債の需要が高まった。

イタリア10年債利回りは一時6.68%と、14年ぶりの水準に上 昇。イタリアでは455億ユーロ規模の緊縮策への反発が強く、ベル ルスコーニ首相を追い詰めつつある。ギリシャは国際支援を確保する ため挙国一致内閣の樹立で合意。8日の米3年債入札(発行規模 320億ドル)を控え、同年債利回りはほぼ変わらずとなっている。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「この日は欧州問題 が市場を左右した。イタリア国債市場は投資家を米国債へと駆り立て る次の懸念事項になるとの観測が広がった」と指摘。「今週の入札に かけて、市場は応札が入りやすくする必要があるかもしれないが、海 外の不確実性を考慮すれば、米国債は概して強気の相場を見込んで差 し支えないだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後5時30分現在、10年債利回りは前営業日比ほぼ変わらずの

2.04%。同年債(表面利率2.125%、2021年8月償還)価格は1/32 上げて101 24/32。3年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01ポイント)上昇して0.38%となっている。

連銀の国債購入

ニューヨーク連銀は、借り入れコスト引き下げを図るプログラム の一環として、償還期限が2036年2月から41年8月までの米国債を 27億ドル購入した。ニューヨーク連銀は10月、オペレーション・ツ イストと呼ばれる保有国債の償還期限延長策を開始。12年6月末にか けて毎月約440億ドルのペースで、比較的長期の国債を合計4000億 ドル購入する計画だ。

イタリア国債利回りは過去最高に上昇し、ギリシャやポルトガル、 アイルランドが救済要請に至る直前と同様の展開をたどっている。

この日は欧州中央銀行(ECB)がイタリア国債を購入したとの 情報が流れたが、同国債の利回りは上昇を続けた。イタリアの国債残 高は約1兆6000億ユーロと、スペインとポルトガル、アイルランド を合わせた額を上回り、借り入れコスト上昇の影響を受けやすくなっ ている。ギリシャ2年債利回りは107%を突破した。

イタリアの混乱

ベルルスコーニ首相の元報道官で、現在はフォグリオ紙の編集者 であるジュリアーノ・フェラーラ氏は7日、首相が「数時間以内」に 辞任すると報道。首相はこれを否定した。フェラーラ氏は首相の辞任 見通しを報じた後、電話インタビューで、首相が財政緊縮策と景気対 策の採決での支持と引き換えに来週辞任する公算が大きいと語った。

米財務省は今週、720億ドルの国債を発行する予定。8日に入札 される3年債はこの日の入札前取引で利回りが0.39%と、前回の 10月11日の最高落札利回り0.544%から下落した。

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