【クレジット市場】ラボバンク、サムライ債発行へ-欧州では7月来初

オランダの銀行ラボバンクは円 建て外債(サムライ債)を発行する計画だ。欧州の発行体としては7 月以降で初めてとなる。ギリシャの債務危機が波及するとの懸念があ るものの、最高格付けを付与されていることが寄与した。

事情に詳しい関係者によると、欧州の民間銀行の中で最も高い格 付けを取得しているラボバンクは8日、3年物のサムライ債を発行す る予定で、利回りはベンチマークの円スワップレートを最大で55ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回る。同関係者は発行 条件の詳細が非公開であるとして匿名を条件に話した。ブルームバー グがまとめたデータによれば、ラボバンクが5月27日に同様の年限 のサムライ債を発行した債の上乗せ利回り(スプレッド)は17bp だった。

明治安田生命保険相互会社融資部の高橋俊明氏は7日、東京から 電話インタビューに応じ、「ラボバンクですら、これだけ払わなくち ゃいけないというのは、投資家の欧州問題への懸念を示している」と 発言。「最高格付けのラボバンクでこのスプレッドは魅力的だ」と述 べた。同氏はこのサムライ債の購入を計画している。

ギリシャに端を発したソブリン債危機が世界中の市場を揺るがし ているため、欧州勢のサムライ債発行は6月30日以降で820億円 と、前年同期から86%減少している。野村証券の指数によると、同 年限の政府債に対するサムライ債の上乗せ利回りは10月19日に 157bpと、過去1年4カ月で最大に拡大した。6月15日には過去 3年での最小となる74bpにまで縮小していた。先週は152bp。

資金調達の一環

ラボバンク東京支店の田中一秀長期資金調達部長は7日、東京で の電話インタビューで、サムライ債発行は資金調達の一環であると指 摘した。ブルームバーグのデータによると、ラボバンクの発行済みサ ムライ債の総額は82億ドルと、同行全体の約3.8%に相当する。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのEMU金融機関指数に よると、金融機関が発行したユーロ建て債券のスプレッドは7-9月 期に197bp拡大し403と、四半期ベースでは同指数が導入された 1995年12月31日以降で最大の拡大となった。先週は13bp拡大 の361。

ブルームバーグのデータによれば、ラボバンクは5月27日に固 定および変動金利のサムライ債を総額772億円発行した。同行はム ーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プ アーズの両方から最高格付けを付与されている。

サムライ債の最大発行企業

ブルームバーグ端末上の日本証券業協会の価格によると、ラボバ ンクの発行額706億円のサムライ債(表面利率2.01、償還2013年 6月)は7日、利回りが日本国債を58.9bp上回る水準で取引され た。今四半期では20.9bp拡大。日本証券業協会はラボバンクが5 月に発行した債券の価格は提供していない。

ブルームバーグのデータによれば、ラボバンク債は来年、439 億ドルの償還を迎える。同行は今年、サムライ債の企業発行体として は最大。

ラボバンクの田中氏は「ヨーロッパの首脳会議でギリシャ救済の 合意があって、安心して出来ると思った」と説明。「当然、ギリシャ のニュースはネガティブだったが、うちのクレジットがそれを乗り越 えた」と続けた。

重債務国の救済資金の詳細を話し合う欧州財務相会議が7日にブ リュッセルで開催された。欧州首脳は先月、ギリシャ債の50%ヘア カット(債務減免)で合意した。

「10月からタイミングを見計らう」

ラボバンクの田中氏は「10月から3月までのいつかサムライ債 を出す計画で、10月からタイミングを見計らっていた」と明らかに した。

さらに「主幹事から聞いているのは、今までうちのサムライ債を 購入したことのない投資家が、今回のスプレッドは魅力的で購入を検 討しているということだ」と語った。

BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは東京 での7日の電話インタビューで、「調達手段の分散というのが当然、 ラボバンクがサムライ債を出す理由の一つだろう」と指摘。「今、出 せるということを市場に示すこともあるのではないだろうか」と述べ た。

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