欧州の危機、世界の旅行産業にも影-拡大ペース、予想下回る見込み

世界の旅行・観光産業の拡大ペー スが今年と来年、従来予想より鈍化する可能性があるとの見方を、世界 旅行ツーリズム協議会(WTTC)が示した。

WTTCのデービッド・スコーシル会長は電話インタビューで「ユ ーロ圏の中心では、状況はあまり良くないようだ。国外旅行市場は困難 な状況にあり、政府は課税率を引き上げる一方、支出を減らしている。 旅行・観光に使える可処分所得も減少している。伸びの大半はアジアが 占めている」と述べた。

スコーシル会長によると、6兆ドル(約470兆円)規模の旅行・観 光産業は今年3.2%、来年は3.3%の拡大が見込まれる。これは、3月 時点に予想されていた今年4.5%、来年5.1%を下回る。WTTCには 約100社の幹部らが加盟する。

世界各地で100カ所以上のホテルを管理または運営する英ミレニア ム・アンド・コプソーン・ホテルは4日、ユーロ圏の問題が同社の顧客 に影響を与えていると述べた。リベラム・キャピタルのアナリスト、ナ イジャル・ヒックス氏は文書で、同様の状況が、8日に決算を発表する インターコンチネンタルホテルズグループやウィットブレッドに影響を 及ぼす可能性があると指摘した。

スコーシル会長によると、欧州での危機が「アジアへの大規模なシ フト」を促しており、アジアの旅行市場は年間約9%の伸びを示してい る。一方、西欧州は約2%にとどまる。同会長によれば、旅行業界は 2030年までに中流階級の消費者が20億人増加すると予想しており、 そのうち75%はインド人と中国人が占める見通しだという。

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